
チャットボットを導入するうえで重要な要素のひとつが、会話デザインです。しかし、実際に会話デザインを始めようとしても「何から考えれば良いのか」「そもそも会話デザインとは何なのか」といった疑問を抱いてしまう方も少なくないでしょう。
そこで今回は、会話デザインの概要や流れ、押さえておくべきポイントなどを紹介していきます。
この記事でわかること
- チャットボットの会話デザインの意味と重要性
- 会話デザインの流れ
- 会話デザインのポイント
目次
チャットボットの会話デザインとは
チャットボットの会話デザイン(会話設計)とは、チャットボットの会話の内容やシナリオを設計することです。ユーザーがチャットボットをとおして、どのような回答や体験を得るのかを決める重要な工程です。適切なシナリオを設計すれば、ユーザーは目的の情報をスムーズに得ることができるでしょう。
ただし、ユーザーが求める情報や体験を提供できなければ、顧客満足度の低下につながるおそれがあります。特に近年は、技術の発展により、ソフトウェアやアプリに対しても人間と同等の礼儀正しさや常識を求めるユーザーが増えてきています。チャットボットのような対話形式のソリューションでは、その傾向がより顕著です。
そのため、チャットボットにおける会話デザインは、UX向上のために不可欠な要素といえます。
チャットボットの会話デザインの流れ
チャットボットの会話デザインの流れは以下のとおりです。
- 利用目的とユーザーニーズを明らかにする
- チャットボットの人格・キャラクターを決める
- 会話の流れを設計する
- 効果検証・改善を繰り返す
それぞれのステップについて、詳しく解説します。
1.利用目的とユーザーニーズを明らかにする
まずは、チャットボットの利用目的とユーザーニーズを明確にします。これらは会話デザインの指針となる要素です。利用目的やユーザーニーズが曖昧であったり、ずれていたりすると、チャットボットが期待通りの成果を挙げることが困難になります。
チャットボットの利用目的は導入する企業ごとに異なります。利用目的を明確にするには、導入に至った背景を言語化することから始めるといいでしょう。具体例としては「問い合わせ業務を自動化したい」「問い合わせのハードルを下げたい」などが挙げられます。
続いて、どのようなユーザーを想定して導入するのかも明確にしていきます。ユーザーはどのような悩みを抱えているのか、悩みを解決したあとにどのような行動を起こしたいのかなど、深堀りしていきましょう。
2.チャットボットの人格・キャラクターを決める
利用目的とユーザーニーズが明らかになったら、チャットボットの人格やキャラクターを決めていきます。
例えば、丁寧な印象を与えたいのであれば「です・ます」調に、親しみやすさを感じてもらいたい場合は「だよ・だね」といった語尾にするといった設定が考えられるでしょう。
また、チャットボットに名前をつけたり、可愛らしいデザインのキャラクターにしたりすると、フレンドリーな印象を持たれやすく、利用するハードルを下げる効果が期待できます。
このように設定を固めていくことで、ユーザーとの会話の流れをイメージしやすくなります。
3.会話の流れを設計する
人格やキャラクターが決まったら、利用目的やユーザーニーズを踏まえて、会話の流れを設計します。
最初に明確化したユーザーニーズを踏まえて、ユーザーがチャットボットにどのような質問をするのか、仮説を立ててみましょう。質問の候補をいくつか出したら、それらに対する回答を作成してみてください。既存のFQLがある場合は、それも参考にしながら質問と回答を洗い出していきます。
その後、洗い出した質問と回答を、会話形式でスムーズにやり取りできるような形に整えていきます。ユーザーが提示された選択肢を選んで回答を得るタイプの場合、選択肢を少なくし、スムーズに回答を得られるように工夫すると良いでしょう。
4.効果検証・改善を繰り返す
チャットボットは導入して終わりではありません。その後も効果検証と改善を繰り返しながら運用していきます。
チャットボットの起動数や解決数、ページ誘導数、CV率などを随時チェックし、どのくらい効果があったのかを検証しましょう。期待していた効果が得られていない場合は、会話デザインの見直しを行うなどして、改善を図る必要があります。
効果検証と改善を行う際に効果的な手法が「A/Bテスト」です。これは、条件の異なるAパターンとBパターンをユーザーに対してランダムに表示し、成果を比較するテストです。
Web接客ツールの「TETORI」は、A/Bテストも素早く実施できます。また、さまざまなシナリオテンプレートも用意されており、チャットボットの導入も簡単に行えます。詳しくは以下のページをご確認ください。

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チャットボットの会話デザインのポイント
チャットボットの会話デザインを行う際のポイントとして、以下の5点を紹介します。
- はじめに友好的な挨拶を設ける
- 使い方のガイドを提示する
- わかりやすくシンプルな言い回しを採用する
- オープンクエスチョンを避ける
- 対応できない場合の代替策への導線を整えておく
一つずつ解説します。
はじめに友好的な挨拶を設ける
チャットボットの会話デザインは「挨拶→ 質問への対応 → 結論」の順に構成すると、機械的な印象が低減され、スムーズなやり取りにつながります。
冒頭の挨拶は、友好的かつチャットボットの利用を促すような内容がおすすめです。「ご訪問ありがとうございます。何かお困りでしょうか?」「こんにちは!何かお手伝いできることはありますか?」といった内容であれば、ユーザーもチャットボットを利用しやすくなるでしょう。
また、ユーザー属性ごとに挨拶を変える手法も有効です。例えば、はじめて利用するユーザーには「はじめまして」。繰り返し訪問しているユーザーには「いつもありがとうございます」などの使い分けが考えられます。
使い方のガイドを提示する
使い方のガイドを提示することで、ユーザーがチャットボットをスムーズに利用できるようになります。
チャットボットの使用方法に慣れていないユーザーは、会話が思ったとおりに進まず、悩みの解決につながらないかもしれません。そこで「悩んでいることを入力してください」「知りたいことを以下の選択肢から選んでください」といったアナウンスを表示すれば、円滑な問題解決を促せます。
また、終了時にもガイドを提示するのがおすすめです。「問い合わせを続行しない場合は、会話を終了するよう指示してください」「会話終了ボタンを選択してください」などのアナウンスを設けると終わり方が分かりやすく、安心して利用できます。
わかりやすくシンプルな言い回しを採用する
ユーザーは、自身の疑問を素早く解決するためにチャットボットを利用します。そのため、チャットボットの回答が分かりづらいと、以降の利用が見込めなくなります。
このような事態を避けるため、回りくどい表現や難しい専門用語の使用は避けたほうが良いでしょう。回答はできるだけシンプルに、ユーザーが理解しやすいものにすることが重要です。
オープンクエスチョンを避ける
チャットボットからユーザーに質問する際は、オープンクエスチョンは避けたほうが無難です。自由度の高い質問は、ユーザーからの回答が想定外のものになりやすく、チャットボットが最適な回答を見つけにくいためです。
質問する際には、「○○について知りたいですか?」など、具体的な選択肢を提示する形にすると、シナリオにブレが生じにくく、対話がスムーズに進みやすいです。チャットボットの強みを活かすためにも、質問は具体的かつ誘導しやすい形に設計しましょう。
対応できない場合の代替策への導線を整えておく
チャットボットは、すべての悩みを解決できる魔法のツールではありません。会話デザインにおいても、その限界を理解し、代替となる解決策への動線を提示することが大切です。
特に、シナリオ型のチャットボットでは、ありとあらゆる疑問についての選択肢を用意することは不可能です。AI搭載型であっても、すべての問い合わせに対応できるわけではないことを前提に考えておきましょう。
無理に回答しようとして、不正確な回答や、不自然な対応をしてしまうと、ユーザーの信頼を損なう原因になります。回答できない場合はその旨を伝えて、しかるべき導線を用意するのがおすすめです。
具体的には、有人対応への引き継ぎや、問い合わせフォームの案内、詳細資料のダウンロードページへの誘導などが挙げられます。チャットボットと人の役割を明確に分けることで、スムーズなサポートを実現できるでしょう。
まとめ
チャットボットの会話デザインとは、チャットボットの会話の内容やシナリオを設計することです。
技術の発展により、近年はチャットボットにもより自然でスムーズなコミュニケーションが要求されています。利用目的やユーザーニーズを把握したうえで会話デザインを行い、効果検証と改善を繰り返しながら運用していきましょう。
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