
「チャットボットを導入したいけれど、具体的な手順や選定のポイントがわからない」とお悩みではないでしょうか。この記事では、チャットボットの導入方法を段階的に解説し、選定の際に押さえておくべきポイントをご紹介します。自社に最適なツールを見つけ、スムーズに導入を進めるヒントが得られるので、ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること
- チャットボットの導入手順
- チャットボット導入の際のポイント
- チャットボット導入に関するよくある質問
目次
チャットボットの導入手順
チャットボットの導入を成功させるには、適切な導入方法で段階的に進めることが重要です。導入手順は次の通りです。
- チャットボットの導入目的を明確にする
- チャットボットの設置場所を検討する
- 導入・運用担当者を任命する
- チャットボットを比較検討する
- チャットボットの詳細を問い合わせて利用するサービスを決定する
- シナリオ設計やFAQ作成を行う
- 運用環境を整備する
- テスト後に本格運用を始める
それぞれの工程について、詳しく解説します。
1.チャットボットの導入目的を明確にする
チャットボットを導入する際は、まず「なぜ導入するのか」をはっきりさせることが重要です。
目的が不明確だと、期待通りの成果を得るのは難しいでしょう。例えば、社内の業務効率化が課題であるにもかかわらず、それを認識せずにカスタマーサポート用のチャットボットを選んでも、あまり良い結果にはならない可能性があります。
チャットボットには、社外向けや社内向けなど、利用目的に応じたさまざまなタイプがあります。導入目的を明確にし、解決したい課題を具体的に整理すれば、適切なサービスを選択できるでしょう。
何を効率化したいのか、どの業務を支援したいのかを事前に考えることが成功への第一歩です。
2.チャットボットの設置場所を検討する
チャットボットの設置場所は、十分に検討を重ねて決めましょう。
チャットボットは、Webサイトやチャットツールに配置されるのが一般的ですが、対応可能なプラットフォームはサービスごとに異なります。
とくに、特に社内向けの場合は、ビジネスチャットツールに統合できるものを選ぶことで、スムーズな運用が期待できるので、事前に確認しましょう。
さらに、希望する場所に設置できない事態を防ぐためにも、早い段階で導入目的に適した設置場所を検討することが大切です。設置場所を正しく選ぶことで、チャットボットの効果をより効果的に発揮し、業務効率化や顧客満足度の向上につながる可能性が高まります。
3.導入・運用担当者を任命する
チャットボットの導入が決定したら、専任の担当者を任命し、運用体制を明確にすることが欠かせません。
チャットボットの導入時には、サービス選定やベンダーとの調整が必要です。また、運用開始後も、利用状況の分析や、対応できなかった問い合わせの補完・更新といった作業が発生します。こういった作業を専任で行う担当者を配置すれば、責任の所在を明確化し、スムーズな運用が可能です。
特に不具合対応や機能改善の際に迅速な行動が取れる体制が整えば、チャットボットの効果をより引き出すことができるでしょう。また、担当者が主体的に管理することで、チャットボットの運用がより精度高く行えるようになり、活用の幅も広がります。
4.チャットボットを比較検討する
チャットボットの導入目的や設置場所が決まったら、具体的なサービスを比較検討するステップに移りましょう。比較の際に注目すべきポイントは、次の通りです。
- チャットボットの種類
- 費用
- サポート体制
- 無料トライアルの有無
- AI搭載の有無
- 目的にあった機能の有無
一般的に、高機能なサービスほど費用がかかります。なかでも近年増えてきているAIを搭載したタイプのサービスは高額な傾向にあります。
しかし、自社の課題に対して過剰に高機能なツールを選択すると、機能を持て余し、投じたコストが無駄になってしまうでしょう。必要な機能を明確にしたうえで選ぶことが肝心です。
また、無料トライアルが提供されているツールは、導入前に実際の操作感や効果を確認できるため、おすすめです。
チャットボットの種類や活用例は、こちらの記事で詳しく解説しています。
5.チャットボットの詳細を問い合わせて利用するサービスを決定する
導入するチャットボットサービスの候補を2~3社に絞り込んだら、提供会社に詳細を問い合わせましょう。その際、予算や解決したい課題、サポート体制などを具体的にヒアリングすることがポイントです。
無料トライアルがある場合は、実際に操作してみるのがおすすめです。どれほど優れた機能を備えていても、使い勝手が悪ければ期待した効果を十分に得られない可能性があります。
さらに、契約後のトラブルを防ぐために、料金体系や更新条件、支払方法を事前に確認し、不明点があれば解消していきましょう。トライアル期間中に使用感やサポート体制をしっかりチェックすれば、導入後の失敗を避けられるでしょう。
じっくりと検討を重ね、自社の課題解決に適したサービスを選びましょう。
6.シナリオ設計やFAQ作成を行う
シナリオ設計やFAQ作成は、チャットボット導入の要となるステップです。ここでは、非AI型とAI型チャットボットに分けて、設計のポイントについて解説します。
非AI型チャットボットの場合
非AI型チャットボットは、あらかじめ設定したシナリオにもとづいて動作し、ユーザーの質問に対して的確な回答を提供する仕組みです。特定のシナリオに沿った対応が求められる場面に適しています。
導入の際には、まずFAQや過去の問い合わせ内容を分析し、よく寄せられる質問をピックアップしてシナリオを作成しましょう。ユーザーの意図をより正確に把握するため、階層構造を活用し、追加の選択肢を提示して対応を進める形式が一般的です。
シナリオ設計を進める際には、フローチャートを使用して全体の流れを視覚化すると、設定漏れを防ぎやすくなります。一部のサービスではシナリオ作成に役立つテンプレートが提供されており、これを利用すれば、はじめてチャットボットを導入する場合でも、スムーズなシナリオ構築が可能です。
AI型チャットボットの場合
AI型チャットボットは、機械学習や自然言語処理を活用し、ユーザーの質問に対して適切な回答を導き出す仕組みです。
このタイプは、あらかじめ詳細なシナリオやFAQを準備する必要がないうえ、自由度の高い対話を実現できる点が特徴です。しかし、自社の業務に即した適切な回答ができるようにするには、業務マニュアルや社内文書などを活用して、チャットボットに業務内容や問い合わせパターンを学習させる必要があります。
AI型チャットボットの性能は学習データの量と質に大きく依存するため、導入前にはデータ準備やトレーニングの時間を確保し、運用中も定期的にデータを追加・更新していくことが重要です。
準備には手間がかかりますが、対応範囲の拡大や回答精度が向上していき、導入後は自由な表現にも的確に対応できるようになるでしょう。
7.運用環境を整備する
チャットボットのシナリオ設計やFAQ作成が完了したら、運用環境を整えるステップに進みましょう。
まず、チャットボットが回答できなかった場合の対応フローを事前に検討し、有人対応への切り替え方法を明確にします。この際、電話やメール、有人チャットなどのチャネルから自社に適した手段を選択することや、オペレーターの人数や対応範囲を具体的に決めておくことも重要です。
導入後は対応状況を定期的に確認し、改善点を反映する体制を整えていくことで、スムーズに運用しつつ、顧客満足度の向上につなげていけるでしょう。計画的な運用環境の準備と見直しが、チャットボット活用を成功させるのに重要です。
8.テスト後に本格運用を始める
最後に運用テストを行い、チャットボットの動作を確認します。テストで確認する主な項目は次のとおりです。
- 質問に対してスムーズに対応できているか
- 質問に対して適切な回答を提示できているのか
- 回答やシナリオ部分に違和感を抱く部分はないか
- 利用者にとって使いにくい・わかりにくい部分はないか
テストで明らかになった課題を改善し、シナリオやFAQを見直しましょう。問題がすべて解消された段階で、本格的な運用をスタートさせてください。
チャットボットの導入にかかる期間
チャットボットの導入期間は、通常2週間~3ヶ月程度が目安です。
ただし、進行スピードはシナリオ設計やFAQ作成の進め方により異なります。外注を利用したり、自動生成機能を活用する場合は比較的短期間で運用を開始できるでしょう。一方、自社で作業を進めたり、準備が必要なFAQが多かったりする場合は、準備に時間がかかり、導入が遅れることもあります。
また、AI搭載型のチャットボットを採用する場合、データを学習させる時間が必要なため、導入期間がさらに延びる可能性があります。
導入をスムーズに進めるためには、準備内容に合わせてスケジュールを組み、早めに行動を開始することが重要です。計画的に進めることで、運用開始までの道のりがスムーズになります。
チャットボット導入を成功させるためのポイント
チャットボットの導入を成功させるためには、以下の2つのポイントを押さえることが重要です。
- 利用者に存在を認知してもらうための仕組みを作る
- KPIを設定して効果検証・改善を繰り返す
それぞれ見ていきましょう。
利用者に存在を認知してもらうための仕組みを作る
チャットボットを導入しても、利用者に認知されなければ、効果を十分に発揮できません。社内利用であれば通知や告知が簡単ですが、顧客向けの場合は利用を促進する仕組み作りが必要です。
例えば、Webサイト訪問時にポップアップでチャットボットの案内を表示すると、存在を強調できるでしょう。問い合わせページやよくある質問コーナーに配置したり、目立つデザインや色を採用したりする方法も有効です。
さらに、初回利用者向けに簡単な操作例や具体的な質問の例を提示すれば、チャットボットの使い方を直感的に理解してもらいやすくなるでしょう。また、よくある質問やおすすめの使い方を表示する仕組みを取り入れると、ユーザーの関心を引きやすくなります。
KPIを設定して効果検証・改善を繰り返す
チャットボットを導入した後は、KPI(重要業績評価指標)を設定し、効果の検証と改善を繰り返すことが重要です。
KPIとは、最終目標までの進捗を把握するための指標です。KPIを定期的に確認しながらチャットボットの性能をブラッシュアップしていきましょう。具体的なKPIの例は、次の通りです。
KPI項目 | 内容 |
---|---|
チャットボット起動数 | Webサイトを訪問したユーザー数に対し、チャットボットが表示された回数 |
ユーザーアクション開始数 | 訪問ユーザーがチャットボットに対しアクションを起こした回数 |
チャットボット利用開始率 | チャットボット起動数に対する、ユーザーアクション開始数の割合 |
ページ誘導数 | チャットボットが案内したページ(料金ページ、ヘルプページなど)にユーザーが遷移した数 |
これらの指標をもとに課題を抽出し、シナリオの見直しやFAQの追加といった改善策を進めましょう。小規模な施策を段階的に実施し、その効果を1〜2週間のスパンで確認することで、無駄のない改善が可能です。
KPIの改善には、ABテストが有効です。ABテストは、2種類の異なるパターンを比較し、どちらがより効果的かを分析する手法です。例えば、異なるチャットフローや回答デザインを試すことで、利用者にとって最適な設計を見つけることができます。
継続的な検証と改善を行うことで、ユーザー体験を向上させることができます。施策の積み重ねが、より使いやすく価値の高いチャットボットの運用につながるでしょう。
ABテストは、こちらの記事で詳しく解説しています。
関連リンク
チャットボットの導入に関するよくある質問
チャットボットの導入に関して、よくある質問をまとめました。導入前に押さえておき、スムーズな運用準備ができるように準備を進めましょう。
そもそもチャットボットを導入するメリットって?
チャットボットを導入する主なメリットは、次の通りです。
- お客様や社員からのお問い合わせ業務の負担を軽減できる
- 手厚い顧客サポートができるようになる
- 利用者が気軽に問い合わせしやすくなる
- Webサイトからの離脱を防げる
チャットボットの導入により、問い合わせ対応が効率化され、迅速かつ手厚いサポートが可能になります。また、コスト削減やDX推進にもつながり、企業全体のパフォーマンス向上が期待できます。
関連リンク
チャットボットの導入にかかる費用はどのくらい?
チャットボットの導入費用は、初期費用と月額料金が中心です。費用の相場はAI型とAI非搭載型で異なり、それぞれ次の通りです。
AI型 | AI非搭載型 | |
---|---|---|
初期費用 | 10万~100万円 | 無料~10万円 |
月額料金 | 10万~100万円 | 1万~5万円 |
加えて、オプション機能の追加や導入・運用サポートに別途料金が発生する場合もあります。導入後のコストを正確に見積もるためにも、事前に詳細な費用内訳を確認して、自社に合ったプランを選びましょう。
チャットボットならTETORI!
チャットボットは、業務効率化や顧客満足度向上に欠かせないツールです。
導入目的を明確にし、適切な手順を踏むことで、より大きな効果を実現できるでしょう。運用後も定期的に効果を検証し、改善を重ねることで、自社の効果的な課題解決につながります。
チャットボットの導入をお考えなら、TETORIがおすすめです。専門知識がなくても簡単に使える設計で、短期間でのチャットボット作成が可能です。無料トライアルに加え、シナリオ作成から運用開始後のサポートまで手厚い対応を受けられるため、初心者の方でも安心して導入できます。業務効率化や顧客満足度向上を目指す方は、ぜひTETORIへご相談ください。