Webサイトにチャットボットを導入したものの、「思ったより使われていない」と感じていませんか?
チャットボットは顧客対応の効率化や満足度向上に貢献するツールですが、利用率が低ければ成果につながりません。
本記事では、チャットボットの利用率が上がらない原因や、改善の重要性、利用率を上げる方法などについて解説します。
この記事でわかること
- チャットボットの利用率が上がらない原因
- チャットボットの利用率を改善する重要性
- チャットボットの利用率を上げる方法
目次
チャットボットの利用率の現状
近年、多くの企業が業務効率化や顧客体験(CX)の向上を目的にチャットボットを導入しています。しかし現状では、ユーザーに十分活用されているとはいえないケースが少なくありません。
2021年に株式会社SheepDog が実施したアンケート調査によると、「チャットボットという言葉を知らない」という回答が49.75%と、約半数を占めました。
一方、同調査でチャットボットを利用したことがあり、好んで使うと回答した人は約17%にとどまりました。
また、30代女性では「好んで利用する」が20%、「使いたくない」は4%である一方、30代男性では「好んで利用する」が16%、「使いたくない」は12%、 40代男性では「好んで利用する」が20%、「使いたくない」は16%と、年代や性別によってもチャットボットの受け容れられ方には違いが見られます。
これらのデータから、チャットボットの存在は一定数に認知されているものの、誰もが積極的に利用したいツールとはなっておらず、まだ広く活用されるには至っていない状況がうかがえます。
チャットボットの利用率が上がらない原因
チャットボットの利用率が伸び悩む主な原因には、以下の2点が挙げられます。
- そもそもチャットボットの存在が認識されていない
- ユーザーにとって使いにくい
どれだけ優れたチャットボットでも、ユーザーにその存在を知ってもらえなければ利用にはつながりません。
Webサイトやアプリ内の目立たない場所に設置されていたり、デザインが周囲に溶け込みすぎていたりすると、ユーザーはチャットボットに気づかずサイトを離れてしまうでしょう。
また、実際に利用しても、見当違いの回答を繰り返したり、操作方法が直感的でなかったりすると、リピート利用は期待できません。
「人間のオペレーターに直接問い合わせたほうが早い」とユーザーに思わせてしまうと、利用率は低下し、チャットボットの価値は薄れてしまいます。
チャットボットの利用率を改善する重要性
チャットボットの利用率の改善は、企業にとって顧客対応の効率化と満足度向上の両立に直結します。
チャットボットをせっかく導入しても、利用率が低ければ多くのユーザーが従来どおり有人対応に頼り、オペレーターの負担軽減や人的ミスの削減、
顧客満足度の向上といった目的を達成できません。このような状況では、チャットボットの導入や運用にかかるコストを回収することも難しいでしょう。
一方、チャットボットの利用率が高まり、多くのユーザーが自己解決できる環境が整えば、顧客満足度の向上が期待できます。
また、有人対応の件数が減ることでオペレーターの負担が軽減され、より複雑で専門的な対応に集中できるようになります。これにより、組織全体の生産性が向上するでしょう
このような好循環を生み出すためには、ユーザー視点での設計と継続的な改善が不可欠です。
チャットボットのより詳しいメリット・デメリットについては、以下の記事もご覧ください。
関連リンク
チャットボットの利用率を上げる方法
チャットボットの利用率は、ただ導入するだけでは上がりません。ユーザーに存在を認知させ、「使いたい」と思わせる戦略的なアプローチが求められます。
ここでは、具体的な改善策として以下の9つを紹介します。
- チャットボットの存在を自然に認知してもらう
- 思わず使ってみたくなるようなデザイン・トーンを取り入れる
- あらゆる環境で快適に使えるように設計する
- チャットボットの機能を明示する
- FAQの内容を充実させる
- 回答の精度を高める
- 質問の選択肢や入力例を提示する
- 運用体制を整備して改善を繰り返す
- 有人対応への切り替えを最適化する
複数の施策を組み合わせ、利用率の向上を目指しましょう。
チャットボットの存在を自然に認知してもらう
どれほど機能的に優れたチャットボットでも、ユーザーが存在に気づかなければ利用にはつながりません。まずは、ユーザーにチャットボットの存在を自然に認識してもらいましょう。
例えば、Webサイトの右下にチャットボットのアイコンを常時表示させる方法が挙げられます。多くのユーザーがこの場所をチャットボットの配置場所として認識しているため、直感的に見つけやすいでしょう。
さらに、「お困りですか?」「よくある質問はこちら」といった分かりやすい誘導文をページ上に加えると、視認性が向上します。
また、特定のページに一定時間滞在した際にチャットボットをポップアップ表示するなど、ユーザーの行動に合わせてチャットボットを目立たせる手法も効果的です。

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思わず使ってみたくなるようなデザイン・トーンを取り入れる
チャットボットをただ認知してもらうだけではなく、思わず使ってみたくなるような工夫を凝らしましょう。
例えば、視認性の高いボタンデザインや、直感的に操作できるレイアウトを取り入れれば、ユーザーの心理的なハードルを下げ、利用を促せます。
また、チャットボットの口調やキャラクター設定も利用率に影響します。少しカジュアルな語り口にしたり、企業のブランドイメージに合ったキャラクターを設定したりすると、ユーザーは親近感を感じ、気軽に利用しやすくなるでしょう。
あらゆる環境で快適に使えるように設計する
チャットボットの利用率を上げるには、ユーザーがどのような環境からアクセスしても快適に操作できる設計が求められます。
現代ではパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、さまざまデバイスからのアクセスが当たり前となっています。
スマートフォンやタブレットでサイトを閲覧した際に、表示が崩れていたり、文字入力がしづらかったりすると、ユーザーの離脱につながりかねません。
チャットボットを導入する際はレスポンシブデザインを採用し、あらゆる画面サイズやデバイスに応じて表示が最適化されるように設計しましょう。 また、スマートフォンの小さな画面でもページのスクロールを妨げないボタンを配置し、スムーズに入力できるようにすることも重要です。
チャットボットの機能を明示する
チャットボットに不慣れなユーザーは、「何ができるのか分からない」「どうやって質問するのか分からない」といった理由で、使用を避けることが少なくありません。
そのため、チャットボットで解決できる内容を明確に伝えるのが重要です。
例えば、チャットウィンドウの冒頭やアイコンの近くに、「よくある質問にお答えします」「予約変更・キャンセルはこちら」など、
対応可能な業務範囲を具体的に示しましょう。ユーザーが「自分の疑問を解決してくれるツールだ」と一目で認識できれば、利用へのハードルは大きく下がります。
FAQの内容を充実させる
FAQ(よくある質問)の内容を充実させれば、ユーザーの求める情報を適切に提供でき、利用率の向上につながります。
FAQが充実していれば、ユーザーからの質問に対して「詳細はこちら」と案内することが可能です。
また、AI搭載のチャットボットであれば、FAQの内容を学習データとして使用することで、回答の精度を高めることができます。
まずは問い合わせ履歴やサイト内の検索キーワードを分析し、ユーザーから実際に多く寄せられる質問を中心にFAQを整備しましょう。
新商品の発売やキャンペーンの時期によって一時的に増える質問に対しても、リアルタイムでFAQに反映させると効果的です。
回答の精度を高める
回答の正確さは、チャットボットの信頼性を左右する要素です。質問に対する返答があいまいだったり、
意図とずれた内容が返ってきたりすると、ユーザーは対応に満足できず、利用をやめてしまいます。
回答の精度を高める際には、過去の対話ログを定期的に分析したうえで、誤った回答や回答できなかった質問を洗い出し、過去データを基に辞書登録の追加やシナリオの修正を行いましょう。
このようにして改善を繰り返し、的確で分かりやすい回答を積み重ねていくと、信頼性が高まり、利用率の向上につながります。
質問の選択肢や入力例を提示する
チャットボットに質問の選択肢や入力例を提示すれば、質問の仕方が分からないユーザーでも使いやすくなります。
例えば、「送料について知りたい」「注文方法を確認したい」など、事前に用意された選択肢を表示すれば、ユーザーが迷うことなく質問でき、求めていた情報にたどり着けます。
特に、高齢者やIT機器の操作に不慣れなユーザーにとっては、自由入力よりも選択形式のほうが使いやすいでしょう。
表示する選択肢は、問い合わせ件数や検索ワードをもとにユーザーのニーズを汲み取り、それに基づいて定期的に更新しましょう。
また、自由入力形式の場合でも、「例:送料について」のような入力例を示しておくと、ユーザーが迷わず質問しやすくなり、利用率の向上につながります。
運用体制を整備して改善を繰り返す
チャットボットは、ただ導入して終わりではありません。利用率を向上させるには、PDCAサイクルによる定期的な効果測定と改善が必要です。
まずは社内で担当者を定め、チャットボットの対話ログ分析や回答内容の見直しを定期的に実施しましょう。
分析や見直しを行うと、ユーザーがどのような課題を抱えているのか、どこで対話につまずいているのかといった問題点を早期に発見し、改善できます。
また、チャットボットが答えられなかった質問に対しては、ユーザーに対して「ご期待に沿えず申し訳ありません。
今回の質問を参考に改善に努めます。」など、ていねいなメッセージを表示しましょう。ユーザーの信頼回復にもつながり、再び利用してもらえる可能性が高まります。
「TETORI(テトリ)」は、専門知識がなくても簡単にシナリオの作成や改善ができ、チャットボットの効果測定やA/Bテストも実施可能です。
効率的な改善サイクルを回しながらチャットボットを運用したい方は、ぜひTETORIの導入をご検討ください。

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有人対応への切り替えを最適化する
複雑な問題や個別性の高い問い合わせに対しては、有人対応へとスムーズに切り替える仕組みを作りましょう。
チャットボットは多くの定型的な質問に自動で対応できますが、すべての質問を解決できるわけではありません。
チャットボットで解決できないまま対話が終了してしまうと、ユーザーは「問題が解決しなかった」という不満を抱えて離脱し、以降の利用を敬遠してしまうでしょう。
そこで、チャット内に「担当者に相談する」ボタンを表示し、有人チャットやコールセンターへ切り替えられるようにすると、ユーザーの不満を軽減できます。
必要に応じて有人対応に切り替えられる体制を整えると、顧客満足度が向上し、チャットボットの利用率も高まるでしょう。
まとめ
チャットボットの利用率を高めると、顧客対応が効率化され、顧客満足度の向上も期待できます。
しかし、チャットボットの利用率は、ただ導入するだけでは十分な水準に達しません。定期的な改善を繰り返すことで、認知度を高めたり、回答の精度を上げたりしていく必要があります。
「TETORI」は、専門知識がない担当者でも簡単にチャットボットの作成・改善ができます。A/Bテスト機能などを活用し、データに基づいた改善サイクルを回せば、効率的に利用率の向上を図れるでしょう。
無料でお試しもできますので、チャットボットの運用にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。