チャットボットとは?仕組みと導入事例をわかりやすく解説

  1. Home
  2. コラム
  3. チャットボット
チャットボットとは?仕組みと使い方をわかりやすく解説
テキストの会話を自動で行うチャットボットは、業務効率化や人材不足を補う方法のひとつとして注目が集まっています。しかし、チャットボットの定義や活用方法について詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。

この記事では、チャットボットの特徴や仕組み、活用事例、導入のポイントを解説します。チャットボットに興味がある方や導入を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。

チャットボットとは

画像クリエイティブ例
チャットボット(Chatbot)とは「チャット」と「ボット」を合わせた言葉で、テキストによる会話を自動で行うプログラムと言い換えることができます。

昨今の人工知能や機械学習の発展により、チャットボットは大きく進化しました。企業のWebサイトや社内のヘルプデスクなどで、AIのオペレーターがユーザーに質問を投げかけるプログラムを見たことがある方も多いのではないでしょうか。

まずは、チャットボットの基本的な機能や種類についてご紹介します。

チャットボットの基本機能

チャットボットは、ユーザーからの質問に自動で答えたり、ユーザーに合った質問を投げかけて、会話をしたりする機能があります。主に、Webサイトを訪れたユーザー、自社の社員等の疑問を解決するツールとして使用されます。

任意の質問(フリーワード)を打ち込むと回答が返ってくるタイプや、選択肢が表示されてそこから自分の疑問に合ったものを選ぶタイプなどがあります。

今チャットボットが注目されている理由

チャットボットが注目されるようになったのは、2016年にLINEやFacebookがチャットボットの機能をAPIとして公開したことがきっかけです。技術的なハードルが下がり、企業は気軽にチャットボットを導入できるようになりました。

さらに、新型コロナウイルス感染拡大によるテレワークの推進が、チャットボットの普及を加速させました。

受付やコールセンターなど、顧客対応が欠かせない部署では、出社制限による人員不足をサポートする手段のひとつとしてチャットボットが導入されています。

総務省の管轄である地方自治体においても、新型コロナウイルスに関する問い合わせに対応するために、チャットボットの導入を積極的に行っています。
また、社内の困りごとを解決するヘルプデスクとしても注目されています。テレワークは、チャットやメールによるコミュニケーションが増えるため、業務効率の低下が課題として挙がりやすくなっています。

担当者の連絡工数を削減でき、質問者も課題をスピーディーに自己解決できるチャットボットは、テレワーク下でのメリットが大きく普及が広がっているのです。

このように、チャットボットの活用は、業務効率化や業務負担の軽減など、さまざまなメリットにつながります。以下のコラムでチャットボット導入のメリットについて、より詳しく解説しているのであわせてご覧ください。

チャットボットの種類

チャットボットは、人工知能を搭載した「AI型」と、あらかじめ用意された回答に沿って自動で応答する「シナリオ型」の2種類に大別されます。

また、機能別に次の5つのタイプに分類する場合もあります。
タイプ特徴
FAQ型チャットボットユーザーからの質問をデータベースで参照して、質問の意図に添った適切な回答を返す
選択肢型チャットボット決められたシナリオに沿って、選択肢の提示や回答を示す
処理代行型チャットボットユーザーが入力した内容をもとに、システム処理を代行する
配信型チャットボット決められたタイミングで情報発信を行う
雑談型チャットボットチャットボット上のキャラクターとユーザーが会話を行う
こちらの記事では、チャットボットのタイプ別に、特徴やビジネスでの活用例を詳しく解説しています。

代表的なチャットボット

大手メディアや公的機関等が提供しており、一般的にもよく知られている代表的なチャットボットを3つご紹介します。

りんな(マイクロソフト)

りんな(マイクロソフト)
「りんな」とは、マイクロソフトが開発したAIチャットボットです。2015年7月にLINEに登場し、2020年8月時点での登録ユーザー数は830万人を超えています。

りんなは、おしゃべりな女子高生というコンセプトのもとで誕生しました。りんなには、共感をテーマにした「共感チャットモデル」「共感視覚モデル」「コンテンツチャットモデル」と呼ばれる3つの技術が採用されています。

女子高生らしいしゃべり方やレスポンスの早さ、共感力の高さによって、まるで本当に会話をしているかのような体験をユーザーにもたらします。

りんなはLINEでのサービスとして始まりましたが、現在は占いやラジオMC、歌手としても活動しています。

ふたば(国税庁)

年末年始の繁忙期の問い合わせに対応するために、国税庁でもチャットボットを活用した利用相談を実施しています。

「ふたば」と呼ばれるチャットボットでは、個人の所得税の確定申告や年末調整、インボイス制度、所得や各種控除、税制の改定など、税金に関するさまざまな内容に関して相談ができます。土日や夜間、24時間いつでも利用可能です。

回答は文章形式と選択肢形式のミックスで、質問内容によって形式が変わります。

マナミさん(LOHACO)

アスクル株式会社が運営するBtoC向け個人通販サービス「LOHACO」では、2014年9月から、チャットボット「マナミさん」を導入しています。「マナミさん」は、ECサイト上の問い合わせ窓口・ヘルプの役割を果たしています。基本的には選択肢を選ぶ形式ですが、フリーワード検索も可能です。

「IBM Watson」をベースとした対話システムにより、自然な会話のなかで精度の高い回答を実現しているのが特徴です。

チャットボットの仕組み

チャットボットの仕組み
ここからは、チャットボットがどのような仕組みで質問に適切な回答を返しているのか見ていきましょう。

基本的な仕組み

チャットボットが、人間と会話をしているかのような動作を実現させているのは、次の3つの要素が関係しています。

質問から重要なキーワードを分析する

チャットボットは、ユーザーの質問文章を解析し、その中から重要なキーワードを探し出します。キーワード分析の精度が高いほど回答の精度も上がり、まるで人間と会話をしているかのように、スムーズなやりとりが実現できるのです。

AI搭載型のチャットボットの場合、ユーザーとの会話の中でキーワード分析についての学習を繰り返します。この機械学習により、ユーザーの質問の意図をより的確に判断できるようになります。

パターン・シナリオに沿って回答する

チャットボットは、「Aという問いに対してはBと回答する」というような、あらかじめ運用者が定めたパターン・シナリオに沿って回答します。

これらのルールを大量に設定すると、ユーザーからの複雑な質問に対しても的確に対応できるようになり、チャットボットがユーザーの質問を理解しているかのような受け答えが実現します。

また、AI搭載型のチャットボットの場合、キーワード分析と同様に、機械学習によりパターン・シナリオを追加していくことが可能です。これらのパターン・シナリオが増えれば増えるほど、より的確な受け答えができます。

データベースから適した回答を選び出す

チャットボットは自分自身で思考したり、会話を組み立てたりする能力はありません。運用側が用意した、パターン・シナリオやデータベースの中から、ユーザーが求める回答を選択しているのです。そのため、データベースを充実させることにより、チャットボットの精度を高めることができます。

AI搭載型のチャットボットの場合、ユーザーとの会話ログをデータベース化していくため、ユーザーが知りたい情報に対して、適切な回答ができるように成長していきます。

シナリオ型・AI型それぞれのチャットボットの仕組み

チャットボットは、シナリオに沿って回答する「シナリオ型(ルールベース型)」と、機械学習によってデータから適切な回答を選択する「AI型」に大別できます。

ここでは、それぞれのチャットボットについて、どのような仕組みで動作しているのかを詳しく解説していきます。

シナリオ型(ルールベース型)チャットボットの仕組み

ルールベース型(シナリオ型)チャットボットは、シナリオと呼ばれる会話のフローをあらかじめ設定し、シナリオに沿って会話を進めるタイプのチャットボットです。想定される質問とその回答をセットで準備し、シナリオに沿って会話が分岐していきます。

AI型に比べて安価で、比較的容易に導入・運用ができます。

あらかじめ設定されたシナリオ内の質問であれば正確な回答ができる反面、シナリオ外の質問には回答できず、複雑な質問も苦手とします。

ユーザーをコンバージョンポイントに誘導するためのマーケティング利用、「よくある質問」や「FAQ」のように、想定される質問とその回答をパターン化しやすい企業・業種であれば、ルールベース型チャットボットがおすすめです。

AI型チャットボットの仕組み

AI型チャットボットは、初期設定の際に読み込ませた膨大なデータと、運用実績の中でAIが学習したデータから、ユーザーの質問に対して最適であると判断した回答を選択するチャットボットです。

問い合わせ内容が定型化されておらず、ユーザーに自然な会話を提供したいという企業であれば、AI型チャットボットがおすすめです。

機械学習の性質から、保有・蓄積しているデータが多ければ多いほど受け答えの精度が高まり、ユーザーに合わせた自然な会話が可能になります。その反面、データの数や質が不足していると回答の精度が低くなるため、注意が必要です。

また、AI型チャットボットは、導入時に膨大なデータが必要となり、運用中もメンテナンスが不可欠であることから、ルールベース型チャットボットよりも手間がかかる傾向にあります。

チャットボットの主な使い方

チャットボットの主な使い方
チャットボットは、さまざまな場面で使用されています。ここでは、チャットボットの具体的な使い方をご紹介します。

カスタマーサポート

チャットボットはWebサイトやECサイトに設置して、ユーザーの疑問を解決するカスタマーサポートの役割を持たせる活用方法が代表的です。

ユーザーからの問い合わせの中には、Webサイトの「よくある質問」で自己解決が可能なものもあります。チャットボットを活用してユーザーが課題を自己解決できれば、カスタマーサポートのスタッフの負担を軽減したり、優先度の高い問い合わせに注力したりすることが可能です。

カスタマーサポートの用途でチャットボットを使用する場合は、質問の意図を理解して適切な回答をする必要があるため、AI型のチャットボットが向いています。

カスタマーサポートの業務支援ツールには、チャットボットの他に、顧客からの質問と回答をセットにして一ヵ所に集約した「FAQシステム」もあります。こちらの記事では、チャットボットとFAQシステムの違いや、どちらを選択するべきかについて詳しく解説しています。

システム処理の代行

チャットボットには、ユーザーが入力した内容をもとにシステム処理を代行する「処理代行型チャットボット」と呼ばれる種類があります。

宅配便事業者のヤマト運輸では、処理代行型チャットボットを活用し、次の作業をチャット内で完結できるようにしました。
  • 送料の確認
  • お届け日数の確認
  • 受取日時・場所の変更
  • 集荷依頼
  • 再配達依頼
顧客が問い合わせをする手間を減らしたことで、ユーザー満足度の向上や対応にかかるコストの改善、集荷による売上増加につながりました。

このように、チャットボットが担う業務がある程度限定されている場合は、選択肢を提示するシナリオ型のチャットボットが適しています。

業務効率の改善や顧客満足度の向上を目指しているのであれば、処理代行型のチャットボットは大きな力を発揮するでしょう。

社内ヘルプデスク

社内業務や手続き方法、製品情報など、同じような質問にチャットボットがヘルプデスクとして答えることで、部門の担当者が質問に対応する時間や手間を削減できます。

「会話の蓄積までに時間がかかってもいいから複雑な質問に対応したい」という場合にはAI搭載型を、「質問パターンがある程度決まっているので運用をすぐに開始したい」という場合には、シナリオ型のチャットボットを選ぶと良いでょう。

社内向けチャットボット導入のポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。

勤怠管理

勤怠管理のサポートにも、チャットボットが活用できます。対話やスタンプ送信をした時刻や位置情報をもとに、勤怠管理システムに情報を登録する仕組みです。

勤怠管理でチャットボットを使うには、パターンを覚えるAI搭載型チャットボットが向いています。しかし、チャットボットだけでの勤怠管理は難しいため、専用の勤怠管理システムの導入が必要です。

チャットボット導入に際して把握しておくべきポイント

チャットボットの導入効果
チャットボットは、ユーザーの役に立つだけでなく、社内業務の効率化にもつながります。ここまで記事を読んで、チャットボットの導入に興味がわいているのではないでしょうか。

最後に、チャットボットの導入前に把握しておきたいポイントをご紹介します。

チャットボットの導入効果

チャットボットを導入することで得られる効果は、主に次の3つです。
  • コンバージョン率の改善
  • 顧客満足度の向上
  • 人的コストの削減
チャットボットでユーザーの課題を解決できれば、Webサイトからの離脱防止につながります。ユーザーを商品の購入やサービスへの申し込みなどのコンバージョンまで導くことができれば、売上の増加につながります。

また、ユーザーからの問い合わせに対して、24時間365日、同じ品質で素早い対応が可能になるため、顧客満足度の向上が期待できます。オペレーターが対応していた業務をチャットボットに任せることができれば、人的コストの削減も可能です。

チャットボット導入の効果やメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

チャットボット導入にかかる費用目安

チャットボット導入にかかる費用は、月額1万円から100万円以上かかるケースまで、さまざまです。

一般的に、高額なチャットボットにはAIが搭載されています。また、SNS連携やプッシュ通知などのオプション機能や、自社システムとの連携など、カスタマイズの有無で料金は大きく変わります。

チャットボットの導入を検討する際は、自社の目的に合った機能を持つチャットボットを選ぶ必要があります。こちらの記事では、費用対効果を高めるチャットボットの選び方について解説しています。

チャットボットを社内外向けに活用しよう!

チャットボットは、顧客対応の支援ツールとしての役割だけでなく、社内向けに活用すれば、業務負担を減らす効果も期待できます。

チャットボットの効果を最大化するには、カスタマーサポートやヘルプデスクなど、目的に合わせて導入することが大切です。また、初期費用とランニングコストを比較検討し、長期的な目線で必要な機能を見極めましょう。

この記事を参考にして、自社に最適なチャットボットの導入を検討してみてください。
チャットボット導入でお悩みならTETORI(テトリ)をお勧めします