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チャットボットとFAQシステムの違いと共通点をわかりやすく解説

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チャットボットとFAQシステムは混同されがちなツールですが、その違いをご存知でしょうか?今回は、以下について詳しく解説します。
  • チャットボットとFAQシステムはどう違うのか
  • チャットボットとFAQシステムの共通点
  • どちらを選ぶべきかの判断基準
自社がチャットボットとFAQシステムのどちらを選ぶべきなのか、判断するための知識が身につきます。適切な方を選ぶために、ぜひお役立てください。
チャットボットとFAQシステムの違い

チャットボットとFAQシステムとは

チャットボットとFAQシステムとは
まずは、チャットボットとFAQシステムが、それぞれどんなものなのかを解説します。両者を混同しないように、特徴を押さえておきましょう。

チャットボットとは

チャットボットとは、「自動でユーザーとの会話を行うプログラム」のことです。チャットボットは、一問一答の形で会話をしながら、内容に応じてユーザーの疑問を解決したり、申込みなどの手続きを進めたりします。

チャットボットには、AI(人工知能)を搭載しているものもあります。高性能なAI搭載型のチャットボットであれば、過去のやり取りなどのデータをもとに、自動的に応答内容を作り出すことが可能です。AI非搭載のチャットボットに比べてコストは高くなるものの、より自然にユーザーと会話できます。

チャットボットについては、こちらの記事でより詳細に解説しています。

FAQシステムとは

FAQは、「Frequently Asked Questions」の略称で「よくある質問」を意味します。FAQシステムとは、よくある質問とその答えのセット(Q&A)を大量に集めて整理したもののことです。

ユーザーは、自分が抱えている疑問に近い質問を見つけて、それに対する答えを見ることで疑問を解消できます。FAQシステムから目的のQ&Aを見つけるには、キーワードで検索したり、種類別に分類されたQ&Aをひとつずつ確認したりするのが一般的です。

FAQシステムにも、AIを活用したものが存在します。よく閲覧されるQ&AをAIで分析して上位表示させ、ユーザーがほしい情報を見つけるのを手助けします。

チャットボットとFAQシステムの違い

比較項目チャットボットFAQシステム
適切なQ&A数300件以下300件以上
回答のスピード速い遅い
取得できるユーザー情報多い少ない
提示できる情報量少ない多い
チャットボット・FAQシステムは、「ユーザーの疑問を解決する」という目的自体は同じです。ただし、異なる点もあるので、4つの視点から解説します。

適切なQ&A数

チャットボットとFAQシステムでは、適切なQ&Aの数が違います。チャットボットは目安として300件より少ないQ&Aを扱うのに向いている一方で、FAQシステムは300件以上の大量のQ&Aを扱うのが得意です。

会話をしながらQ&Aを探せるチャットボットの方が、ユーザーにとっての利便性が高い場合も少なくありません。ただし、Q&Aの数があまりに多くなると、目当てのQ&Aを探し出すまでに何度もチャットボットと会話する必要があり、かえって手間が増えてしまいます。

このように、チャットボットとFAQシステムを使い分ける際には、適したQ&A数が違うことが大きなポイントとなります。

回答のスピード

ほしい回答が得られるまでのスピードも、チャットボットとFAQシステムで異なります。チャットボットの方が、より短時間で回答までたどり着きやすい傾向にあります。ユーザーとの会話内容から、求めている情報を予測して、効率よく回答を絞り込んでいくからです。

一方でFAQシステムでは、目当てのQ&Aを探し出すまでに時間がかかることがあります。ほしい情報に関する適切なキーワードを知らない人は、効果的な検索ができません。FAQシステムでは、トラブルの種類ごとにQ&Aを分類して整理しておくなど、キーワードを知らない人でも情報を見つけやすくする工夫が必要です。

取得できるユーザー情報

チャットボットでは、多くのユーザー情報を集められます。これは、チャットボットとやり取りをする中で、ユーザーが知りたいことや疑問を複数回入力するためです。

チャットボットでは、ユーザーに対して質問することで、ほしい情報をピンポイントで取得することもできます。入力された情報を分析すれば、ユーザーが抱えている問題や要望をより深く理解できるでしょう。

FAQシステムでは、チャットボットほど多くの情報を集められません。それでも検索の際に使われたキーワードは取得できるので、ユーザーがどんな言葉を使っているのかを把握して、Q&Aの改善に役立てられます。

提示できる情報量

FAQシステムは、専用のページにQ&Aを表示する場合が多いため、画面全体を使って、回答内容を詳しく解説できます。また、回答の文章量を増やすだけでなく、図や写真、表、グラフなどを使って、わかりやすく伝える工夫も容易です。

一方、チャットボットでは、提示できる情報量が少なくなりがちです。Webサイトの画面端に設置されることが多く、表示面が小さいため、大量の情報を提示するのには向いていません。このためチャットボットでは、複雑な質問に回答し切れない可能性があり、有人対応と組み合わせるなどの工夫をすることが必要です。

チャットボットとFAQシステムの共通点

チャットボットとFAQシステムの共通点
チャットボットとFAQシステムには、共通点もあります。どちらを利用するにせよ知っておくべき、得られる効果や注意点を紹介します。
共通点
  • 顧客満足度を向上させられる
  • 問い合わせ対応の負担を減らせる
  • Q&Aの用意が必要
  • 継続的なメンテナンスが必要

顧客満足度を向上させられる

チャットボットとFAQシステムはどちらも、顧客の満足度を上げる効果が期待できます。ユーザーが疑問を感じたときに、それをすぐに解消できるからです。

電話やメールでの問い合わせのように、待たされる時間がないのは、ユーザーにとって大きなメリットでしょう。チャットボットやFAQシステムなら、選択肢を選んだり文字を入力するだけで済むので、「電話で話をするのは苦手」と感じる人でも手軽に利用できます。

逆に、「サポートを受けられなかった」と感じると、顧客満足度は大きく下がってしまいます。いつでも顧客をサポートできる仕組みを整えるためにも、チャットボットやFAQシステムの導入は有効です。

問い合わせ対応の負担を減らせる

チャットボットやFAQシステムを導入すれば、問い合わせ対応をするスタッフの負担を減らせます。これは、顧客からの問い合わせだけでなく、社内からの問い合わせについても同様です。

よくある問い合わせの中には、わざわざ人が電話などで対応しなくても、必要な情報を見せるだけで解決するものも少なくありません。たとえば、「パスワードを忘れた」という人には、パスワードのリセット方法を説明したページを見せるだけで済みます。

簡単な質問への回答をチャットボットやFAQシステムに任せれば、問い合わせ対応をするスタッフは、人が対応しなければいけない問い合わせだけに集中できるのです。

なお、チャットボットの社内利用については、こちらの記事で詳しく解説しています。

Q&Aの用意が必要

チャットボット・FAQシステムはどちらも、導入の際には事前にQ&Aを用意する必要があります。表示の仕方が異なるだけで、どちらもQ&Aを利用してユーザーに回答する仕組みです。

Q&Aの数が少ないと、ユーザーの質問に答えられないことが多くなり、不満を持たれる原因になってしまいます。必要とされる回数が多いと予想されるQ&Aを優先しつつ、できるだけ多くのQ&Aを作成することが大切です。

Q&Aを用意する際には、問い合わせ対応をしているスタッフの知見を取り入れましょう。過去にあった問い合わせ内容と、それに対する回答をまとめることで、質の高いQ&Aを効率よく作れます。

継続的なメンテナンスが必要

継続的なメンテナンスが必要な点も、チャットボットとFAQシステムで同じです。運用が始まってからも、利用データを分析しつつ、改善を加えていく必要があります。

回答を表示したあとに、「疑問は解決しましたか?」などと簡単なアンケートを取ると、改善が必要な部分を見つけやすくなります。解決できなかった場合のチャットボットとのやり取りや、FAQシステムに入力されたキーワードを特定して、次の機会には満足を得られるように改善しましょう。

具体的には、Q&Aを新たに追加したり、すでにある回答の内容を充実させたりします。こうしたメンテナンスを継続して、ユーザーを満足させられる確率を高めていくのが重要です。

チャットボットとFAQシステムどちらを選ぶべき?

チャットボットが適するケースFAQシステムが適するケース
ユーザーの疑問が明確でない場合ユーザーの疑問が明確な場合
自社に対して興味や好感を持って欲しい場合図や表で多くの情報を伝えたい場合
扱うQ&Aが少ない場合扱うQ&Aが多い場合
チャットボットとFAQシステムのどちらを導入するべきか、迷ってしまうことも多いでしょう。そこで、どちらを選ぶべきかの判断基準を紹介します。自社に導入・利用している場面をイメージしながら検討してみてください。

チャットボットが向いているケース

チャットボットは、ユーザーとのやり取りを通じて、自社に対して興味や好感を持ってほしいケースに向いています。ユーザーとのコミュニケーションが生まれる点が、チャットボットとFAQシステムの最大の違いです。

自社の商品やサービスに興味を持ち始めたばかりのユーザーは、検索などの積極的な行動を起こすことが少ないといわれています。そうしたユーザーには、より手軽に触れるチャットボットでアプローチした方が、反応してくれる確率が高まるでしょう。

また、前述の通りチャットボットは、扱うQ&Aが少ない場合に向いています。想定される質問がある程度限定されているのであれば、チャットボットを使う方が、より簡単に目当ての情報を見つけてもらえるでしょう。
TETORI

TETORIはシナリオ型チャットボットを設置できるツールです。その他にもポップアップの作成・パーソナライズが可能で、サイト上でのユーザーアクションを引き起こせます。ご興味がありましたらお気軽にご相談ください。

FAQシステムが向いているケース

FAQシステムは、扱うQ&Aが多いケースに向いています。大量のQ&Aがある場合は、チャットボットでやり取りをすると、むしろ手間がかかることがあります。

キーワードで検索をし、素早く情報を絞り込めるというのがチャットボットとの違いです。自分が抱えている疑問が何なのかよくわかっているユーザーには、FAQシステムの方が適しているといえるしょう。

そうしたユーザーは自ら検索をして、情報を探すことができます。逆に「何がわからないのかが、わからない」という状態のユーザーには、やり取りを通して適切な回答まで導けるチャットボットの方が合っています。

また、図や表を使いながら多くの情報を伝えたい場合も、FAQシステムが向いています。FAQシステムは、画面の端に設置されるチャットボットとは違い、ページ全体を使って解説できるので、ユーザーの疑問を解決しやすいのです。

チャットボットとFAQシステムの違いと共通点まとめ

チャットボットとFAQシステムについて解説しました。どちらも問い合わせ対応の負担を減らし、顧客満足度を高める効果が期待できるツールといえるしょう。

FAQシステムと比べた際に、チャットボットにどんな特徴があるのかをまとめると、以下の通りです。
  • 適切なQ&A数:少ない
  • 回答のスピード:速い
  • 取得できるユーザー情報:多い
  • 提示できる情報量:少ない
チャットボットとFAQシステムにはこうした違いがあるため、どちらを使うべきかは場合によって異なります。両者の違いを理解したうえで、自社にとって適した方を導入しましょう。