
ECサイトのコンバージョンは、商品の購入となるケースがほとんどです。この記事ではECサイトにおけるコンバージョン率の平均や数値が低いときの原因、改善する方法を紹介します。
この記事でわかること
- ECサイトのコンバージョン率の平均と業界別の比較
- ECサイトのコンバージョン率が低くなる要因とその詳細
- ECサイトのコンバージョン率を改善するための具体的な施策
目次
コンバージョンとは、「成果」「目標」を表すマーケティング用語であり、サイトの運営者が設定した最終目標、成果地点を指します。ECサイトでは、サイト訪問者の商品の購入がコンバージョンとなる場合がほとんどです。
また、サイトを訪れた人のうち、コンバージョンに至った割合のことをコンバージョン率といいます。
この記事ではECサイトのコンバージョン率の平均や数値が低い場合の原因、改善策を解説します。
ECサイトのコンバージョン率の平均
ECサイトにおけるコンバージョン率の平均は、1~3%ほどです。ただし、コンバージョン率の目安は、商品・サービスのジャンルや知名度によって変動します。
価格が安い商品や、時期的に需要が高い商品は、コンバージョン率が上がりやすいです。自社のコンバージョン率が高いか低いかを判断するには、同業他社のコンバージョン率と比較すると良いでしょう。
アメリカのAdobe社によるレポートによると、業界ごとのECサイトのコンバージョン率は以下のとおりとなります。
業界 | 平均コンバージョン率 |
---|---|
ギフト | 4.9% |
ヘルスケア | 4.6% |
アパレル | 4.2% |
スポーツ | 3.1% |
ジュエリー・コスメ | 2.9% |
大手チェーン | 2.3% |
インテリア | 2.3% |
自動車 | 2.2% |
ホームセンター | 1.7% |
家電 | 1.4% |
その他 | 3.4% |
ECサイトのコンバージョン率を下げるよくある要因
コンバージョン率が低い場合は、以下のような要因が考えられます。
- 広告の内容や配信先が適切でない
- ユーザー目線のサイト設計でない
- 市場環境や顧客ニーズが変化した
ここではそれぞれの要因の詳細についてみていきましょう。
広告の内容や配信先が適切でない
ECサイトの本来のターゲットとは異なるユーザー層に広告が配信されてしまうと、サイトの訪問数は増えても、コンバージョンには至りません。
さらに、サイトの訪問数に対して商品・サービスの購入や契約数が増えなければ、コンバージョン率も低くなります。
また、広告の内容とECサイトの取扱商品にずれがある場合も、広告から流入した人の興味関心が下がり、ECサイトからの離脱につながります。
ユーザー目線のサイト設計でない
たとえ広告に興味を持ってECサイトに訪れても、ユーザーが使いにくいサイト設計だと離脱が増え、コンバージョン率も下がってしまいます。例えば、以下のようなECサイトはユーザーの離脱を招きやすいでしょう。
- 表示スピードが遅い
- スマートフォンから見づらい
- 求めている商品やサービスが探しにくい
- 商品の詳細情報が載っていない
- フォームの入力項目が多い
ユーザーの目線に立ち、どのようなサイトならストレスを感じずに利用できるのかを考えながら、サイト設計を改善しましょう。
市場環境や顧客ニーズが変化した
コンバージョン率は、市場環境や顧客ニーズの変化によって下がることもあります。
下記のような状況はコンバージョン率が変動しやすいタイミングです。
- 流行の変化
- 競合他社の商品が人気になった
- 経済の悪化や物価上昇
- 季節の変化による需要の変化
このように市場環境顧客のニーズは常に変化するため、先を見越したキャンペーンの実施やより良いサービスの提供など、変化に沿って新しい施策を考えることが求められます。
ECサイトのコンバージョン率の改善施策
ECサイトのコンバージョン率を改善するための施策としては、以下のようなものがあげられます。
- 広告のターゲットやクリエイティブを見直す
- 導線を見直す
- ランディングページの改善
- ファーストビューを改善する
- ユーザーの評価や口コミの数を増やす
- おすすめ商品や人気商品を表示する
- クーポンの配布やプレゼントキャンペーンを行う
- 表示速度を改善する
- かご落ち対策をする
それぞれ、どのような施策内容なのか見ていきましょう。
広告のターゲットやクリエイティブを見直す
コンバージョン率を改善するには、広告の内容やターゲットを見直して興味関心の高いユーザーにアプローチすることが大切です。また、サイトの滞在時間が短い場合も、広告の内容やターゲット設定に問題がある可能性が考えられます。
より購買意欲の高い層にアプローチするには、以下項目を細かく設定してペルソナを設定していきます。
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 家族構成
- 職業
- 趣味 など
広告の内容を見直す際は、設定したペルソナに刺さるかどうかも考えながら決めていきましょう。
導線を見直す
ECサイトのコンバージョン率の改善には、スムーズにコンバージョンへ誘導する導線設計が欠かせません。
特に取扱商品の数やカテゴリーが多いサイトでは、サイトの構造が複雑化しやすく、ユーザーが「どこに何のページがあるかわからない」「目的の商品を見つけにくい」と感じて離脱する原因となります。
サイトの導線を見直す際は、実際に自分たちでECサイトを使ってみて、ユーザーの視点で使いやすさを評価しましょう。その際に「購入ボタンが分かりづらい」「自分がサイト内のどのページにいるかわからない」「予想と異なるページに飛んでしまった」と感じる場合は、改善の余地があります。
このように、使いづらいと感じた箇所を全て洗い出し、できるだけ改善することで、コンバージョンにつながる自然な導線設計がしやすくなるでしょう。
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また、TETORIを使えばユーザーごとのポップアップの作成や設定も簡単に行えます。特にポップアップなどのクリエイティブは、テンプレート選択後でも自由に編集ができ、HTMLの知識がなくても作成できます。
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ランディングページの改善
ランディングページとは、ユーザーが最初に訪れるページで、コンバージョン率に大きな影響を与えます。ユーザーの興味関心を引きつけ、スムーズに商品ページや購入ページに誘導できるように以下のような改善を検討しましょう。
TOPページ
トップページは、ユーザーが指名検索(サイト名)で流入したときのランディングページになる可能性が高いページです。ユーザーの興味関心がある商品・求める商品を見つけやすくする工夫が求められます。
トップページを改善する際は、下記のポイントも意識してみてください。
- ブランドのイメージが伝わりやすい画像を掲載する
- 商品カテゴリーをアイコンで分かりやすく表示する
- 動画を掲載して購買意欲を高める
- 人気商品やおすすめ商品を分かりやすい位置に配置する
- 商品のカテゴリーごとに自動で商品群を更新する など
ECサイト内でのユーザーの動きを想定し、ユーザーにとって魅力的かつ回遊性の高いトップページを構築しましょう。
商品ページ
ECサイトは実店舗とは異なり、実際に商品を手に取って確認できません。ユーザーの取りこぼしを防止するためには、充実した商品情報の提供が大切です。
具体的には、サイズ感や素材などが伝わるよう、さまざまな角度から撮影した商品画像を複数枚用意しましょう。視覚的に訴求する手法としても効果的です。
ほかにも使い方や実際の利用シーンが想像できるような動画も掲載すれば、商品に関する理解がより深まります。
ただし、掲載する写真のクオリティが低いとコンバージョンにつながりにくくなります。画像を撮影する際は、撮影時の照明や角度、アップロード時の画質など、ユーザーから魅力的に見えるように工夫してみてください。
ファーストビューを改善する
ECサイトのファーストビューもコンバージョン率に大きく影響します。ファーストビューとは、ユーザーがページにアクセスしたときに一番最初に画面に表示される部分のことです。
ユーザーはページを開いて最初に目に入った情報で、閲覧を続けるか離脱するかを判断します。わずか数秒のうちに判断されるため、ユーザーにとって魅力的なファーストビューを用意しましょう。
ECサイトのファーストビューは、画像とキャッチコピーにこだわると離脱防止に効果的です。ユーザーの目を引くデザインや導線設計にできているか、ニーズとマッチする画像や配置になっているか、具体性のあるキャッチコピーであるかなど、ユーザーの目線に立って魅力的なファーストビュー設計を心掛けましょう。
ユーザーの評価や口コミの数を増やす
ECサイトの訪問者には、ユーザーの評価や口コミを参考に客観的な情報を知りたいというニーズがあります。実際に購入・契約したユーザーのレビューをできるだけ多く掲載しましょう。
購入した人の評価や口コミを集めたい場合は、レビューしてくれた人にクーポンやプレゼントを配布すると、情報を収集しやすくなります。
おすすめ商品や人気商品を表示する
ユーザーが閲覧しているページに、おすすめの商品や人気商品を表示させる方法も効果的です。ユーザーにとって興味関心の高い商品を表示することで、滞在期間を延ばすこともできます。
また、ユーザーの閲覧履歴や購入履歴をもとにパーソナライズ化したおすすめ商品を表示すれば、より興味関心をひくことができ、購買につながる可能性も高まるでしょう。
クーポンの配布やプレゼントキャンペーンを行う
クーポンの配布やプレゼントキャンペーンといったインセンティブ設計も、コンバージョン率の改善に効果的です。クーポンの発行でユーザーがお得に購入できるようにすれば、購入を迷っているユーザーの後押しとなり、新規顧客の獲得やリピート率の向上も期待できます。
ただし、インセンティブに過度な費用をかけると、利益が減少するリスクも高まります。クーポンの配布やプレゼントキャンペーンを実施する際は、獲得したいコンバージョンと利益のバランスを考慮しながら、適切な施策を行うことが重要です。
表示速度を改善する
ECサイトの表示速度が遅いとユーザーの離脱につながるため、表示速度の改善が重要です。表示速度が遅くなる原因には、商品画像などのサイト内コンテンツやシステムの問題が考えられます。
遅延の原因に応じて、画像や動画のサイズを調整したり、CSSの記述を見直したりしましょう。
ただし、画像を減らしすぎるとユーザーが得られる商品の情報が少なくなり、実際の利用シーンやサイズ感が伝わりにくくなります。ユーザーの購買意欲を刺激するために、必要な画像数と表示速度のバランスを考慮してサイトを改善しましょう。
かご落ち対策をする
「かご落ち」とは商品をかごに入れた状態で離脱をして、購入に至らないことです。商品をかごに入れたユーザーの約7割はかご落ちしてしまうとも言われており、かご落ち対策はコンバージョン率の改善に非常に効果的です。ここではかご落ちの主な対策を紹介します。
決済までの手間を減らす
商品を購入したくても、入力フォームの項目が多かったり、何度も異なるページに移動したりすると不便に感じて離脱するケースもあります。
ユーザーの手間を軽減するためにも、入力フォームの項目を最小限に抑え、決済までの遷移ページを減らすといった改善を実施しましょう。
また、購入に会員登録が必要な場合は、登録を面倒に感じてかご落ちすることも多いことから、登録不要で購入できるように変更することも有効です。
決済方法の選択肢を増やす
決済方法を増やすことも、かご落ち対策に有効です。普段使っている決済方法を選択できないと、決済データの入力やアカウントの作成に手間を感じて、購入をあきらめることもあります。
代引きや口座振替、クレジットカードだけでなく、ID決済やアプリ決済も導入すると、ポイント還元キャンペーンが利用できるため、購入してもらいやすくなります。
配送の選択肢を増やす
ユーザーは多少配送に時間がかかっても、送料無料の配送方法を選ぶ傾向があります。しかし、時間がかかる配送方法だけでは急ぎのニーズには応えられません。
さまざまなユーザーが利用することを想定して、迅速な配送方法や日時指定、置き配指定ができる配送方法も用意すると、サービスの品質が向上し、かご落ち対策にもつながります。
セキュリティについて明示する
Web上で個人情報を入力することに抵抗を持つ人は多く、特にクレジットカードを利用する人はセキュリティ面を気にします。
特に信頼できないサイトに対しては、抵抗感が強くなるため、サイトがどのようなセキュリティ対策を行っているのかは必ず明示しましょう。
TETORIでECサイトのコンバージョン率を改善
ECサイトのコンバージョン率を改善するには、さまざまな施策が求められます。
しかし、マーケティングやプログラミングに馴染みのない人は、どのように改善すれば良いのか、迷ってしまいがちです。
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また、訪問者の属性や行動に基づいたパーソナライズドメッセージの表示やカート放棄者へのリマインド、特定商品への注目 を促す機能なども含まれています。
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