コンバージョン率(CVR、コンバージョンレート)は、Webサイトやオンライン広告のパフォーマンスを測るための指標です。訪問したユーザーが、求める行動にどれだけ変換されたかを示します。
自社のコンバージョン率が高いのか低いのか、判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、業界やデバイス、流入経路ごとにコンバージョン率の平均値を探ります。また、コンバージョン率を向上させるための重要なポイントについても解説します。効果的な戦略を見つけ、Webサイトの価値を最大化しましょう。
この記事でわかること
- 業界やデバイス、流入経路ごとのコンバージョン率の平均
- コンバージョン率の平均値について知っておきたいポイント
- コンバージョン率を向上させる方法
目次
コンバージョン率の平均値
Ruler Analyticsのレポートによると、14の業種全体の平均コンバージョン率は2.9%と報告されています。
ただし、コンバージョン率は設定される目標や業界、デバイスによって異なることに注意が必要です。平均値はあくまで参考程度と考えておきましょう。
自社サイトのコンバージョン率改善を考える場合には、現在のコンバージョン率を重視し、平均値に過度にとらわれることなく改善策を検討することが重要です。
業界別
業界 | 平均コンバージョン率 |
---|---|
仲介関連 | 2.3% |
自動車関連 | 3.7% |
B2B(eコマース) | 1.8% |
B2B(サービス) | 2.7% |
B2B(ITテクノロジー) | 2.3% |
B2C | 2.1% |
歯科用品・コスメ | 3.1% |
金融 | 3.1% |
ヘルスケア | 3.0% |
産業関連 | 4.0% |
法律 | 3.4% |
プロフェッショナルサービス ( 広告、マーケティング、法務サービスなど) |
4.6% |
不動産 | 2.4% |
旅行 | 2.4% |
各業界におけるコンバージョン率の平均は、業界の性質や購買プロセスによって異なります。高付加価値の製品やサービスを販売する業界は一般的に平均コンバージョン率を下回る傾向があります。また、検討要素が多い業界や長期的な取引が行われるB2B業界もコンバージョン率が低い傾向です。
業界ごとのコンバージョン率は多様であり、その背景を理解することが重要です。
デバイス別
デバイス | 平均コンバージョン率 |
---|---|
デスクトップ | 3% |
モバイル | 2% |
タブレット | 3% |
デバイス別のコンバージョン率も見てみましょう。Kiboの2022年のレポート結果は上記のとおりです。デスクトップやタブレットと比べると、モバイルのコンバージョン率は低めです。業界全体の平均コンバージョン率が1.82%である中、デスクトップやタブレットは2%を超えていますが、モバイルのコンバージョン率は1.5%となっています。
この結果から、モバイルのコンバージョン率向上に注力する重要度が高いことがわかります。モバイルデバイスでの顧客の利便性やユーザーエクスペリエンスを改善する取り組みが、全体のコンバージョン率の向上につながるでしょう。
流入経路別
業界 | ペイドサーチ (広告) |
オーガニックサーチ | ダイレクト | リファラル | ソーシャル | Eメール |
---|---|---|---|---|---|---|
仲介関連 | 4.8% | 1.50% | 2.10% | 2.10% | 1.00% | 1.90% |
自動車関連 | 3.9% | 4.00% | 2.70% | 3.10% | 1.00% | 3.90% |
B2B (eコマース) |
1.7% | 1.50% | 1.50% | 3.90% | 0.40% | 2.50% |
B2B (サービス) |
3.4% | 2.30% | 1.70% | 1.60% | 2.40% | 2.20% |
B2B (ITテクノロジー) |
1.5% | 2.50% | 5.30% | 1.90% | 0.30% | 2.50% |
B2C | 0.9% | 1.00% | 3.50% | 1.90% | 0.10% | 0.90% |
歯科用品 ・コスメ |
3.7% | 2.70% | 5.30% | 4.10% | 1.50% | 3.00% |
金融 | 5.2% | 2.20% | 5.00% | 3.90% | 1.50% | 1.90% |
ヘルスケア | 1.9% | 2.40% | 4.20% | 3.60% | 3.00% | 2.60% |
産業関連 | 3.4% | 4.40% | 2.70% | 2.00% | 2.00% | 2.90% |
法律 | 4.3% | 3.00% | 3.30% | 3.60% | 1.70% | 2.50% |
プロフェッショナル サービス ( 広告、 マーケティング、 法務サービスなど) |
5.0% | 5.00% | 2.90% | 3.40% | 2.30% | 2.40% |
不動産 | 2.0% | 2.20% | 2.10% | 2.70% | 1.00% | 3.50% |
旅行 | 1.7% | 1.70% | 4.00% | 1.00% | 2.70% | 3.30% |
※スクロールできます。
流入経路によっても各業界ごとにばらつきがあります。各流入経路の傾向を把握し、効果的なマーケティング戦略を展開することが重要です。
例えば、検索エンジンからの流入では特定のキーワードに関連した施策が有効となるでしょう。また、ソーシャルメディア経由の流入ではターゲットに合わせたコンテンツやエンゲージメントの向上に注力することが求められます。
コンバージョン率の平均について押さえておきたいポイント
コンバージョン率が低い場合の対策を考えるためには、平均値の把握と業界やターゲットの特性を考慮する必要があります。以下では、重要なポイントについて説明します。
何をコンバージョンに設定するかで目安は異なる
コンバージョン率の値は、どこの地点をコンバージョンとして設定するかによって大きく変動します。
例えば、無料の資料請求や会員登録はハードルが低いためコンバージョン率は高くなりやすく、一方で商品の購入やサービスの契約などはハードルが高くなるため、コンバージョン率は低くなります。
自社が設定しているコンバージョンは、ハードルが高いのか低いのか考慮したうえで平均値を参考にしましょう。
業界や商材によっても平均は異なる
業界や商材によってもコンバージョン率の平均は異なります。上記の表を参照すると、金融業界は3.1%、B2B(eコマース)は1.8%などです。業界平均を知ることで、自社の目標設定がしやすくなります。
自社サイトが業界平均に比べてどの位置にあるかを把握し、改善点を見つけることも重です。同じ内容のサービスを提供している他のWebサイトのコンバージョン率水準を把握することは、数値改善につながる重要な要素です。
コンバージョン率が平均より低い場合の対策
コンバージョン率が平均より低い場合、ターゲットの見直しや信頼性の向上、サイトUXの改善などの対策が重要です。目標達成に向けて適切な戦略を取り入れましょう。
ターゲットの見直し
コンバージョン率が低い場合、ターゲットやキーワードの設定が商材と一致していない可能性があります。適切なターゲットを設定することで、関心を持ってもらいやすくなり、検索による顕在層の集客などもできるようになります。
例えば、高価格な洗濯機の購入をコンバージョンとする場合、忙しいビジネスパーソンや洗濯に時間のかかる主婦・主夫などをターゲットに設定し、関連キーワードを選定するなどです。
ターゲットの設定を再度確認し、そこから最適なマーケティング戦略を検討していきましょう。
サイトや商材に対する信頼性を上げる
ユーザーがWebサイトや企業・商品に対して抱く不信感を払しょくすることも、コンバージョン率の改善につながります。セキュリティ面や企業の実在性・透明性など、ユーザーが不安を抱く要素を解消しましょう。
例えば、実際に商品を利用した人のレビューや第三者の評価などを掲載することで、ユーザーに安心感を与えることができます。また、Webサイトが現在もhttpのままの場合、セキュリティ面での不安を与えるので、SSL化するのも有効です。
これらの対策によって、サイトや商材の信頼性が高まり、コンバージョン率の向上が期待できます。
サイトUXの改善
サイトのユーザーエクスペリエンス(UX)を改善することは、コンバージョン率向上のために重要です。具体的な改善策として、以下のポイントに注目しましょう。
- モバイル対応やデバイスに応じた導線
- サイト内の導線
- 申し込みフォーム
まず、モバイル対応が必要です。現代ではスマートフォンやタブレットでのWeb閲覧が主流ですので、レスポンシブ対応を行い、デバイスに適した表示がされるよう調整しましょう。また、サイトの表示速度の改善や、ユーザーがスムーズに情報にアクセスできるようコンテンツを整理することも大切です。
次に導線の見直しです。サイト内の導線をシンプルかつ分かりやすく設計し、目的の行動への誘導を最適化しましょう。購入や申し込みボタン(CTA)を目立つデザインや魅力的な文言で配置し、ユーザーが迷わずに行動に移せる環境を整えます。
申し込みフォームは、必須入力項目を最小限にし、ユーザーが入力の手間を感じずにフォームを完了できるようにしましょう。入力項目が多いとユーザーが躊躇し、離脱してしまう可能性があります。
これらのほかにWeb接客ツールTETORIの導入もUX改善に役立ちます。たとえば、導入事例ページに訪問したユーザーへTETORIを使ってホワイトペーパーを訴求した結果、400%の効果が出た事例があります。
Webサイトのコンバージョン率を向上させる
Webサイトに訪問するユーザーの情報を解析してその人に適したコンテンツを提供することでコンバージョン率のアップをおこないます。
CASE:資料請求、会員登録等の申込みおよび購入促進
導入事例ページを閲覧中のユーザーにホワイトペーパーを訴求
某大手IT企業 様
通常時に比較して
400%の効果
CASE:離脱防止による申込率・購入率のアップ
購入手続きに進んだユーザーの離脱時に購入特典を訴求
某大手IT企業 様
通常時に比較して
3割の離脱防止に成功
ポップアップだけでなくチャットボットの設置も可能で、導線づくりに最適です。実際に導入された企業様の声をまとめているので、ぜひご一読ください。
コンバージョン率の平均まとめ
Webサイトのコンバージョン率を改善するにあたって、平均値にこだわりすぎることは避けましょう。業界や商材、流入経路によって平均値は異なります。
重要なのは、現在のコンバージョン率を基に改善策を考えることです。ターゲット設定は商材と合っているか、導線はわかりやすいか、入力フォームが煩雑ではないか、といったユーザー目線での細かなサイト改善がコンバージョン率アップにつながります。
サイトUXの向上にはTETORIの導入をご検討ください。無料のお試し利用も可能なので、ぜひ一度使用感をお試しください。