
マイクロコピーとは、ウェブサイトやアプリケーション、デジタル製品で使われる、短くて簡潔なテキストのことです。本記事では、マイクロコピーで得られる効果や活用方法を詳しく紹介します。
この記事でわかること
- マイクロコピーとは何か
- マイクロコピーによってどのような効果が得られるのか
- マイクロコピーを作るときに注意すべきポイント
目次
マイクロコピーは、短いテキストでありながらユーザーの行動を促し、CVにつなげる効果があります。また、Webサイトの改善に欠かせないユーザー体験(UX)や、CVR(コンバージョン率)の改善にも影響を与えます。
マイクロコピーを活用するには、得られる効果を確認しつつ、ユーザー目線で設定することがポイントです。ユーザーの心情を正しく理解できれば、その後の行動も促せます。
この記事では、マイクロコピーの基礎知識や、効果を高めるテクニックを解説します。
マイクロコピーとは
マイクロコピーとは、Webサイト上の入力フォームやリンクボタン上、またはその周辺に配置される短い文言のことです。例えば「1分で登録完了」や「無料体験はこちら」といった文言があげられます。
コピーライティングの一種として、短い文言でユーザーの興味を引き、不安を取り除くことで行動を促す役割があります。
マイクロコピーによって得られる効果
マイクロコピーを活用することで得られる主な効果としては、以下のようなものが挙げられます。
- ユーザーのストレスを緩和できUXの向上につながる
- CVR(コンバージョン率)が向上する
- リピーターや新規顧客の獲得につながる
それぞれの効果について、詳しく見ていきましょう。
ユーザーのストレスを緩和できUXの向上につながる
Webサイトにリンクを設置しても、リンク先の内容や遷移後の状態が不明瞭な状態では、ユーザーにストレスや不安を与えてしまい、クリックしてもらえる可能性は下がります。
そこで、「ご購入はこちら」「ご相談はこちら」など、遷移後のイメージを伝えるマイクロコピーを添えれば、ユーザーに与えるストレスが緩和され、クリックしてもらいやすくなるでしょう。
また、「1分で登録完了」のような文言で「簡単な情報を入力するだけで登録できる」ことを伝え、登録することの心理的ハードルを下げることも効果的です。
このように、マイクロコピーによってユーザーのストレスを緩和することは、顧客体験の向上や、その後の行動の促進につながります。
CVR(コンバージョン率)が向上する
マイクロコピーを活用し、ユーザーの不安やストレスを軽減できれば、CVR(コンバージョン率)の向上が見込めます。
ユーザーがサービスや商品に関心を持っても、Webサイトの内容がわかりにくければ購買意欲が低下し、離脱の原因となるでしょう。また、問い合わせや購入を検討していても、費用や契約期間に不安を感じれば行動につながりません。
マイクロコピーでサイトの内容をわかりやすくしたり、「お試し期間あり」「いつでも解約可能」といったユーザーの不安を取り除く文言を添えることで、ユーザーの行動を後押しすることが可能です。
リピーターや新規顧客の獲得につながる
適切に配置されたマイクロコピーはユーザー体験を向上させ、Webサイトや企業、商品に対する「丁寧」「親切」といったポジティブなイメージの形成に繋がります。その結果、再訪問や継続的な利用につながる可能性も高まるでしょう。
マイクロコピーの効果を高めるテクニック
マイクロコピーの効果を最大限に引き出すには、以下のようなテクニックがあります。
- 行動を促す言葉選び
- ベネフィットをアピールする
- 心理的ハードルを下げる
- ユーザー目線で「ちょっと助かる」一文を添える
それぞれのテクニックについて詳しく解説します。
行動を促す言葉選び
ユーザーの行動を促すためには、目的に合わせた言葉選びをしましょう。以下では、具体的な言葉選びのテクニックについて紹介していきます。
起こしてほしいアクションをストレートに伝える
「登録する」のように、動詞を使って起こしてほしいアクションをストレートに伝えることで、ユーザーは次に取るべき行動を明確に理解できます。
【例】
- 登録してほしい場合:「登録する」
- 体験してほしい場合:「体験する」
- 記事や情報をさらに読んでほしい場合:「もっと読む」
また、「送信できます」ではなく「送信してください」といった表現を使うことも効果的です。
タイミングワードを活用する
タイミングワードとは、「今すぐ」「今なら」といった時間的な制限を示す言葉です。ユーザーに行動を促す目的で使われます。
例えば、単に「申し込む」という表現を「今すぐ申し込む」に変更することで、即時の行動を促せます。また「今なら100円で購入できます」「本日24時までに予約する」といった表現も効果的です。
ただし、過度に使用すると押し売りされているように受け取られてしまうため、使用箇所は慎重に選ぶことが大切です。
リンクの移行先を明記する
「お申し込みはこちら」「登録手順を確認する」のように、具体的な表現を使用すると、スムーズな遷移を促せます。
逆に、「詳しくはこちら」のような曖昧な表現は、求める情報が遷移先にあるのかをユーザーが判断しにくいため、離脱につながる可能性があります。
リンク先を明記する際は、専門用語や複雑な表現は避け、誰にでもわかりやすい言葉を選びましょう。
ベネフィットをアピールする
ベネフィットとは、商品やサービスが顧客に提供する「利益」や「価値」のことです。ユーザーにとって魅力的なベネフィットを提示することで、行動を促すことができます。
具体的なベネフィットのアピール方法は、次のとおりです。
無料で試せることを強調する
「無料」というキーワードを使用すると、ユーザーに行動を促しやすくなります。
多くの人は、実体のわからない商品やサービスに対して、料金を支払うことに抵抗を感じてしまいがちです。そのような場合、「無料で試せる」ことを強調することで、行動のハードルを下げられます。
【例】
- 無料で〇〇日間体験できる
- 無料トライアルはこちら
- 登録だけでOK、無料で体験できます
数値を用いてお得さをアピールする
商品やサービスのお得さを具体的な数値で示すことも重要です。ユーザーがその数値を「お得」と感じられる場合、申し込みや購入への意欲を高められます。
【例】
- 〇〇の人限定で30%オフ
- 初回注文から2,000円オフ
- 5,000円のクーポンをゲットする
心理的ハードルを下げる
Webサイトの効果を高めるには、マイクロコピーでユーザーの不安や懸念を取り除き、行動に対する心理的ハードルを下げることが重要です。ここでは、心理的ハードルを下げるための具体的な方法を紹介します。
手続きの手軽さを強調する
サービスや商品に興味があっても、登録や購入の手続きが煩雑に感じられると、それを心理的ハードルに感じ、購買意欲が低下する可能性があります。
ユーザーの心理的なハードルを下げるには、「数分で完了」「簡単手続き」といった表現が効果的です。手続きに時間がかからないことや、シンプルなことが伝われば、心理的負担を軽減でき、その後の行動を促せます。
【例】
- 1分で会員登録できる
- 見積もりに会員登録は不要
- 2ステップで登録完了
キャンセルや解約、返金対応ができることを記載する
「自分に合わなかったらどうしよう」という不安が心理的ハードルになり、行動に踏み切れないユーザーは少なくありません。そのため、キャンセルや解約、返金対応が可能なことを明記することも、購入や契約への心理的なハードルを下げる方法のひとつです。
【例】
- 解約手数料はかかりません
- いつでもキャンセルできます
- 〇日間返金保証キャンペーン実施中
費用が発生するタイミングを明記する
離脱するユーザーの中には、「このボタンをクリックしたら費用が発生するのではないか」「さらに進むと請求されるのではないか」と不安を感じている人も少なくありません。
そのため、無料で利用できる範囲と請求が発生する範囲を明確に表示することで、ユーザーの不安を解消し離脱を防止できます。
【例】
- ○○までは無料でご利用いただけます
- まだ請求されません
- 追加費用は発生しません
ユーザー情報を保護することを約束する
ユーザーが個人情報の漏洩やプライバシーの侵害を懸念し、情報入力をためらうケースもあるでしょう。そこで、ユーザーが入力した情報を確実に保護することを明記することで、ユーザーの不安を和らげることができます。
例えば下記のように、企業による情報保護の取り組みや、個人情報を入力してもらう理由、情報の使用範囲などについて、プライバシーポリシーとして明記すると良いでしょう。
【例】
- お客様の情報は安全に保護され、第三者に共有されることはありません。
- データは暗号化されており、プライバシーを最優先に保護しています。
- 同意なく情報を共有することは一切ありません。いつでも設定を変更できます。
実績で信頼性をアピールする
マイクロコピーを使い、導入実績や利用者数を効果的にアピールすることで、ユーザーの信頼を獲得しやすくなります。
利用者が多い商品や導入実績の多いサービスであれば、ユーザーは安心して購入や申し込みを行えます。さらに、第三者からの評価を伝えれば、より確かな信頼につながるでしょう。
【例】
- 〇〇人が使用しています
- 導入実績〇〇社以上
- 国内利用者数ナンバー1
ユーザー目線で「ちょっと助かる」一文を添える
ユーザーがサイトを利用する際に役に立つ一文を添えることで、サイトの使いやすさや信頼性を高め、サイトの評価向上とリピートにつながります。
以下に、いくつかの具体例を紹介します。
【例】
- フォーム付近に入力例を明記する
- 入力内容に誤りがあった際に、エラー箇所を明確に示し、修正内容の具体例を添える
- エラーページに「お探しのページは見つかりませんでした。トップページに戻り、○○から他のコンテンツをご覧ください」等のメッセージを添える
このように、問題解決のためのガイドを示すことで、「入力方法が分からない」「修正箇所を特定できない」「目的のページにたどり着けない」といったユーザーのストレスを軽減でき、信頼性の高いサイトとして評価を得やすくなります。
マイクロコピーを作るときの注意点
マイクロコピーの効果を高めるには、ユーザーファーストの視点を持つことが重要です。ここでは、マイクロコピー作成時の注意点を解説します。
リンク先とマイクロコピーがズレないようにする
リンク先とマイクロコピーを一致させることで、ユーザーの離脱を防ぐことができます。例えば、「今すぐ試してみる」という文言の後に会員登録フォームが表示されると、登録しなければ試せないため、ユーザーの離脱や企業イメージの低下につながる可能性があります。
「登録して試してみる」など、ユーザー目線で期待と実際の体験が一致するよう慎重に文言を選ぶことが重要です。
ユーザーの心理とマイクロコピーのズレにも注意
ユーザーがWebサイトを読み進め、マイクロコピーに到達した際、どのような心理状態にあるかを考慮することが重要です。たとえば、価格に対する不安を抱えるユーザーに「今すぐ契約する」という表現は適切でありません。
代わりに、「30日間無料体験をする」といったリスクの少ない選択肢を提示することで、ユーザーの行動を促しやすくなります。ユーザーの不安や懸念を理解し、それに応える形でマイクロコピーを設計することで、より高い効果が期待できます。
ネガティブな表現は控える
マイクロコピーは、表現方法によってユーザーの受け取り方が大きく変わってきます。
30日間無料のサービスの場合、「30日間使用した後は費用が発生します」というネガティブな表現よりも、「30日間は無料で体験できます」というポジティブな表現の方が、より良い印象を与えられます。
ポジティブな表現は、ユーザーの不安緩和や安心感につながります。十分に検討したうえで、ユーザーが前向きに感じられる表現を心がけましょう。
一目で理解できる長さにまとめる
伝えたい情報がたくさんあっても、長文は避けましょう。特にボタン周辺のマイクロコピーは、興味のあるユーザーだけがていねいに読む傾向があります。
人間が一瞬で理解できる文字数は13~15文字と言われているため、この範囲内でメッセージを伝えることが理想的です。
マイクロコピーを設置する際はTETORIを活用しよう
マイクロコピーを活用すればUXやCVRの向上、リピーターや新規顧客の獲得につなげられます。ただし、効果を最大限に引き出すには、ユーザー目線を意識した表現や設置場所が重要です。
マイクロコピーの設置にお悩みの方は、専用ツールの利用をおすすめします。
「TETORI」を活用すれば、Webサイト上でどのような人がどのような行動を起こしたのかを簡単に把握できます。また、レポート機能やABテスト機能を活用することで、CVR改善のサイクルを効率的に回すことも可能です。
CVR改善ツールの導入をご検討中の方は、ぜひ「TETORI」へご相談ください。