TETORI

直帰率とは?定義・計算方法やアクセス解析に役立つ情報をピックアップ!

  1. Home
  2. コラム
  3. 直帰率
直帰率とは?離脱率との違い、WEBサイトごとの平均や改善方法について
直帰率とは、ユーザーが最初に訪れたページだけ閲覧して、他のページに遷移することなく離脱した割合を表したものです。Googleアナリティクスの指標のひとつで、アクセス解析をするうえで重要な指標です。しかし、直帰率の計算方法や目安がわからないと悩むWebサイト担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、直帰率の特徴や計算方法、Googleアナリティクスでの確認方法、直帰率に関して知っておきたい考え方をご紹介します。Webマーケティング初心者の方や企業のWeb担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

直帰率とは

「直帰率」とは、Webサイトを訪れたユーザーのうち、初めにアクセスしたページから他のページに遷移することなく離脱したユーザーの割合
「直帰率」とは、Webサイトを訪れたユーザーのうち、初めにアクセスしたページから他のページに遷移することなく離脱したユーザーの割合 です。1ページのみにアクセスすると、「直帰」としてカウントされます。

Googleが示す直帰率の定義は、次の通りです。

"直帰率とは、1 ページのみのセッション数をすべてのセッション数で割った値のことです。つまり、すべてのセッションの中で、ユーザーが 1 ページのみ閲覧して、Google アナリティクス サーバーに対するリクエストを 1 回のみ発生させたセッションが占める割合のことです。"
引用:https://support.google.com/analytics/answer/1009409?hl=ja

直帰率に注目すべき理由

Webサイトを運営する目的のひとつに、ユーザーエンゲージメントの向上があります。

ユーザーエンゲージメントとは、サイトやコンテンツとユーザーのつながりがどれだけ深いかを表す指標です。ユーザーエンゲージメントを向上させるための第一歩は、ユーザーがページから直帰せずにサイト内を回遊してもらうことや、コンバージョンを目的としたページへの遷移です。滞在時間の延長にもつながるため、直帰率を下げることには一定の意味があると考えられます。

Googleは、「ユーザーへの利便性」を重要視しています。ユーザーエンゲージメントを高めるために直帰率を低くする施策を行えば、Googleにサイトが評価されることにもつながります。

直帰率がSEOに与える影響

Googleは以前から「検索結果のクリックや直帰率などのユーザー行動は、検索結果に影響することはない」と公式にアナウンスしていました。しかし、直帰率が低いWebサイトは、滞在時間や回遊率が高くなり、ユーザーエンゲージメントも向上します。結果として、Googleにサイトが評価され、ページ順位の上昇に貢献する可能性があります。

このような理由から、直帰率・離脱率・クリック率などのユーザー行動は、「実際には掲載順位に影響がある」という考え方が一般的とされています。

直帰率が高い場合は、何かしらの原因でユーザーがストレスを抱えている可能性があります。また、今は直接的な影響がないとしても、今後、アルゴリズムの変化によって直帰率が影響を及ぼすようになることも考えられます。

検索順位の減少にもつながる可能性があるため、できるだけ早い段階から改善に取り組む方が良いでしょう。

直帰率の計算式

直帰率は、次の計算式で算出されます。
直帰率=直帰数÷セッション数
セッションとは、顧客がお店に入ってから出ていくまでの行動と同じように、ユーザーがWebサイトを訪問してから離れるまでの行動を示します。

直帰率の計算例として、Webページへ訪問して閲覧をしたセッション数が500、そのうち他のページに移ることなく離脱したセッション数である直帰数が200の場合、直帰率は200÷500=40%となります。

直帰率と離脱率の違い

直帰率と似た指標に「離脱率」があります。

離脱とは、別のサイトへ移動したり、ブラウザを閉じたりするなど、ユーザーがWebサイトの閲覧をやめることを指します。

離脱率とは、特定のページが閲覧された回数に対し、ページからの離脱が起きた割合のことです。

離脱率の求め方は、次の通りです。

離脱率=各ページの離脱回数÷ページビュー数
直帰率は最初に訪れたページで離脱したユーザーの割合なので、流入数をベースに算出します。一方、離脱率は、閲覧数がベースになります。

直帰率と離脱率の違いを、具体的な事例を交えてご紹介します。

ある企業のWebサイトに、次の3つのページが存在すると仮定します。
  • ページA:トップページ 
  • ページB:企業情報ページ
  • ページC:採用情報ページ
このWebサイトを訪れた5人のユーザーが、次のように行動したとします。
  1. ページ A > ページ B > ページ C > 離脱
  2. ページ B > 離脱
  3. ページ A > ページ C > ページ B > 離脱
  4. ページ A > 離脱
  5. ページ C > ページ A > ページ B > 離脱
この場合の直帰率と離脱率は、次の通りです。
ページAページBページC
直帰率33%100%0%
離脱率25%75%33%
離脱率については、こちらの記事も参考にしてみてください。

Googleアナリティクスでの直帰率の確認方法

Googleアナリティクスで直帰率を確認する代表的な方法は、次の3つです。
  • サイト全体の直帰率を確認する
  • 各ページの直帰率を確認する
  • 参照元ごとの直帰率を確認する
なお、ここで説明するのは次世代版のGA4ではなく、前世代版のユニバーサルアナリティクス(UA)についてであることをご留意ください。

サイト全体の直帰率を確認する

サイト全体の直帰率を確認できます。「ユーザーレポート→概要」と選択すると表示されるユーザーサマリーの中に、直帰率が何%あるか表示されています。
アナリティクス表示例

各ページの直帰率を確認する

ページごとに直帰率を確認することで、直帰率が極端に高いページがあるか確認できます。

直帰率が高い理由として、ユーザーが求める情報が掲載されていない、ページの読み込みが遅いことなどが考えられます。早急に改善すべきページを見つける際の指標として、各ページの直帰率を把握しましょう。

各ページの直帰率は、「行動レポート→サイトコンテンツ→すべてのページ」で確認できます。ページビューを軸としたデータが並んでいて、離脱率も同時に確認できます。

行動レポート→サイトコンテンツ→すべてのページ
また、「行動レポート→サイトコンテンツ→ランディングページ」でも確認可能です。こちらは各ページの回遊率も確認できるため、場合によって使い分けてみてください。
行動レポート→サイトコンテンツ→ランディングページ
直帰したセッションを分析するためには、確認したい流入経路のセグメントの設定が必要です。改善ポイントが明確になるので、直帰率を下げるための施策を立てやすくなります。

参照元ごとの直帰率を確認する

参照元ごとの直帰率を確認することで、ユーザーが離脱する前に経由したページを把握できます。 参照元のページで直帰はしなかったものの、別の情報を求めて他のページに遷移した と考えられます。そのため、ユーザビリティや導線の改善を検討しても良いでしょう。

参照元ごとの直帰率は、「集客レポート→すべてのトラフィック→参照元/メディア」で確認できます。
集客レポート→すべてのトラフィック→参照元/メディア

直帰率に関する知っておきたいポイント

直帰率が高いページを見つけたら、すぐに改善をしなければならないわけではありません。直帰率が高いのには、何らかの原因が存在します。ここでは、直帰率の目安や直帰率の考え方について解説します。

直帰率の平均・目安を把握しよう

まずは、サイトタイプ別の直帰率の平均値をご覧ください。
サイトタイプ平均直帰率
辞書・ブログ・ポータルサイト65〜90%
ランディングページ60〜90%
コンテンツWebサイト35〜60%
リードジェネレーションサイト30〜55%
BtoBサイト25〜55%
ECサイト20〜45%
辞書サイトやランディングページは、初めに訪れたページを見て満足するユーザーが多いため、直帰率は高い傾向 にあります。一方、BtoBサイトやECサイトは企業紹介や商品ページなど他のページも閲覧するため、直帰率が低くなっています。

Webサイトへの流入経路やページの構造によって、直帰率は大きく異なります。ユーザーの検索ニーズを1ページで満たすことができるサイトは直帰率が高く、サイト内の回遊が前提となっているサイトは直帰率が低い傾向にあります。

平均的な直帰率の目安は、こちらの記事で詳しく解説しています。

直帰率が高いことが決して悪いわけではない

直帰率が高いページは改善が必要かというと、一概にそうともいえません。

ユーザーが直帰する理由には、次のように、さまざまなものがあります。
  • タイトルとページ内容が違う 
  • 次のページへの動線がない
  • コンテンツがユーザーのニーズを満たしていない
  • 読み込み速度が遅い
  • スマートフォンに対応していない
  • 1ページのみで検索行動が完了した
一番下の原因に注目してください。これは、閲覧したページで検索ニーズが満たされ、検索行動が完了した可能性が高く、ブラウザバックもされていない と予想できます。流入を多く獲得している検索順位1位のコラムでも、直帰率が90%を超えるのはよくあることです。

先ほどご紹介したサイトタイプ別の直帰率も参考にしながら、ページの特性を考えて改善を判断すると良いでしょう。トップページがサイトの入り口で、複数ページを閲覧してもらいたいのに明らかに直帰率が高く、滞在時間も短いといった特徴を見つけた場合は改善に着手するのがおすすめです。

直帰率を正しく理解してサイト最適化に役立てよう

本記事では、直帰率の定義や離脱率との違い、直帰率の確認方法や考え方を解説しました。

直帰率が高いサイトはユーザーが求める情報を提供できていない可能性があるため、直帰率を下げる施策が必要な場合もあります。

しかし、直帰率の高いページがすべて悪いというわけではありません。1ページ目で知りたい情報が見つかったユーザーは、そのまま直帰することも考えられるからです。ページの特性を考えながら、改善すべきかどうか見極めましょう。

なお、GA4では2023年7月から直帰率の計測がなくなり、「エンゲージメント率」と呼ばれる指標に変わります。サイトでのユーザー操作を数値化したもので、スクロールやリンクへのクリックなど、ユーザーの行動がエンゲージメントとして定義されます。

直帰率を下げることは、エンゲージメントの向上に有効です。この記事を参考にして、直帰率の改善に取り組んでみてください。