TETORI

リードナーチャリングとは?代表的な手法や実施方法も解説

  1. Home
  2. コラム
  3. リード獲得
  4. リードナーチャリング
イメージ画像 リードナーチャリングとは?代表的な手法や実施方法も解説

リードナーチャリングを自社のビジネスにどう取り入れるべきか、うまく実施するにはどうすれば良いか、と迷っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、リードナーチャリングの意味や目的、マーケティングにおける位置づけといった基本的な知識から説明します。また、メリットや代表的な手法、さまざまなやり方を組み合わせた実施のフローや取り組む際のポイントもお伝えします。

この記事でわかること

  • リードナーチャリングの基礎
  • リードナーチャリングの必要性やメリット
  • リードナーチャリングを成功に導くためのポイント

目次

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリングの定義は、まだ購入する意欲のない見込み客(リード)に対し、長期的な関係を構築し、最終的に受注もしくは商談に導くことです。意味や目的、マーケティングにおける位置づけなどについて詳しく見ていきましょう。

リードナーチャリングの意味や目的

リードナーチャリングは言い換えると、「見込み客の育成」になります。これまでは、営業活動で見込み客情報を獲得し、アプローチすることが主流でした。一方、リードナーチャリングでは潜在的ニーズを持つリードに対し、メルマガやセミナー、Webコンテンツなどを通じて有益な情報を提供し、購買意欲を高めていきます

前提として、すべての見込み客が今すぐ購入するわけではありません。そのため、戦略的にリードとの関係を育む必要があります。リードナーチャリングによってリードへ継続的なコミュニケーションを取ることで彼らの検討度合いを把握し、適切なタイミングで商談につなげます。

マーケティングにおけるリードナーチャリングの位置づけ

イメージ画像 マーケティングにおけるリードナーチャリングの位置づけ

リードナーチャリングは見込み客を購買へとつなげる3つの段階のうちの2段階目です。3つの段階は目的によって区別されます。

マーケティングにおけるリードナーチャリングの位置づけ
リードジェネレーション 新たな見込み客の獲得
リードナーチャリング 獲得済みのリードの購買意欲を高める
リードクオリフィケーション リードジェネレーションで育成したリードに対しスコアリングを行い、成約の可能性が高いリードを絞りこむ

リードジェネレーションが新規見込み客の獲得を目指すのに対し、リードナーチャリングは既存のリードの購買意欲を高めることが目的です。同じ施策をすることもありますが、目的が異なります。

リードナーチャリングでは、メールやセミナーなどの施策を通じてリードとコミュニケーションを継続し、関係性を構築します。BtoBの購買活動において特に重要であり、効率的な営業活動を実現するためにマーケティングとセールスの連携が必要なプロセスです。

その後のリードクオリフィケーションでは、リードのスコアリングを行い、成約の可能性が高いリードを選別します。

リードナーチャリングの必要性が高まっている背景

近年、リードの購入プロセスの長期化とプッシュ型アプローチの避ける傾向が高まり、リードナーチャリングの必要性が増しています。

顧客の購入プロセスの長期化

イメージ画像 顧客の購入プロセスの長期化

インターネットの普及でユーザーは積極的に情報収集をするようになり、競合他社の商品やサービスを比較検討することが増えました。特にBtoB商材では、高額な取引や長期利用を伴うサービスに対して、慎重な意思決定を行う傾向が顕著です。

早期の購買を促しても成果につながりにくいため、企業は適切なタイミングで情報提供を行う必要があります。

プッシュ型のアプローチを避ける傾向の高まり

インターネット経由で得られる見込み客は自社や商品に対して興味が薄い場合も多く、一律のプッシュ型の営業は効果的ではありません。リードは簡単に情報を収集できるため、企業からの積極的なアプローチを避ける傾向が高まっています。

購買意欲の低い見込み客に対してメールや電話での積極的なアプローチは逆効果となり、「押し売りされている」と悪い印象を持たれる可能性があります。

リードマーケティングは、企業に対して良いイメージを持ってもらえるよう、リードと信頼関係を築くことが目的です。見込み客の状況を見極め、適切なタイミングと手法で有益な情報を提供していきます。

リードナーチャリングで得られるメリット

リードナーチャリングには、競合へのリード流出の防止、新規顧客の開拓、営業効率の向上などのメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

リードが競合へ流れるのを防止できる

継続的なリードナーチャリングを通じて関係性を築くことでリードをつなぎとめ、競合他社の売上を阻止することができます。

最初の行動で購入に至るリードはわずか20〜25%と少数であり、残りの75~80%は顧客として潜在的なままです。この層を放置していると、他社へ流れてしまうリスクが高まります。

リードナーチャリングは、潜在的ニーズを持つリードに対して常に接点を持ち、機会損失を防ぐ重要な戦略です。

常に新規顧客の開拓をしなくても済む

リードナーチャリングでは既存顧客との関係性を構築し、長期的に安定した利益を生み出すことも可能です。特に、休眠顧客は再リード化の可能性が高いため、彼らにアプローチすることで再びビジネスチャンスを生み出せます。

特に成熟した業界では、新規顧客の獲得競争が激化し、多くの時間と労力が必要です。新規リードを作るコストは既存顧客をフォローするコストの約5倍にもなります。

既存顧客を中心に継続的なアプローチを行うことで、新規顧客獲得に苦労せずに売上を伸ばしていけます。

営業効率が向上する

受注確度の高まったリードを営業部署に引き継ぐため、受注数・受注率が上昇します。リードナーチャリングの施策の段階ごとに、リードのニーズや購買意欲を把握でき、営業担当者に適切な情報を提供できるためです。

営業部署がアプローチを無駄なく行えると、営業効率が向上するだけでなくリソースの有効活用も可能になります。

リードナーチャリングの代表的な手法

リードナーチャリングの代表的な手法は、メールマーケティング、Webコンテンツ提供、ウェビナーやセミナーの開催などが挙げられます。

メルマガ

リードナーチャリングでは、従来の一斉送信のメルマガではなく、ステップメールとセグメントメールの活用が注目されています。2つを活用することで、リードと購入済み顧客に異なるアプローチを行います。

ステップメールは事前に設定したタイミングで自動的に配信されるメールで、リードの育成段階に合わせた情報提供が可能です。セグメントメールではリードを特定の条件で分類し、個別の内容を送信します。

例えば、「今週会員登録した人」「会員登録から1週間経過した人」「過去に商品を購入した人」といったセグメントでリードを分け、それぞれのニーズに合った情報を提供します。

自社セミナー

リードの興味関心に合ったテーマでセミナーを開催し、直接的にコミュニケーションを取ります。特に受注確度の高いリードに効果的です。

セミナーでは製品の宣伝だけでなく、ノウハウや知識を提供することで購買意欲を刺激します。リードのニーズに合わせて魅力的なプレゼンテーションを心掛けることが重要です。

昨今はテレワークが普及したため、業界を問わず無料のオンラインセミナー(ウェビナー)開催が推奨されています。

オウンドメディア

オウンドメディアを活用すると、リードのファン化を促進でき、購入意欲の向上が期待できます

オウンドメディアで発信した情報はインターネット上でストックされるため、必要なタイミングにリードが情報を収集しやすくなります。特に高価格帯の商品やBtoBサービスなど検討期間が長期化する場合に有効です。

ただし、あくまでオウンドメディアはリードとの関係構築を目的とし、直接的なコンバージョンに重点を置きすぎず、顧客ニーズに応えるコンテンツ発信を心掛けましょう。

プッシュ通知(ポップアップ)

プッシュ通知(ポップアップ)は自社Webサイトの特定ページを閲覧したユーザーに向けて表示する通知のことで、オウンドメディアと組み合わせて使う手法です。

プッシュ通知を利用すると、メールアドレスなどの個人情報を取得していなくてもユーザーにアプローチできます。リアルタイムで情報を届けられるため、手軽なアプローチが可能です。スマートフォンアプリでおなじみの機能ですが、PC上でも利用ができます。

ただし、ユーザーに不快感を与えないよう、タイミングや頻度、内容を慎重に検討する必要があります。

SNS

SNS(ソーシャルメディア)は、TwitterやInstagramなどを活用してリードとの継続的なコミュニケーションを行い、自社サイトへ誘導する手法です。SNSは広く普及しているため、リードとの親密な関係構築に適しています。特にBtoC商材と相性が良いことが知られています。

SNSを活用することで、企業とリードとの直接的なコミュニケーションが可能になり、好意的な情報の拡散にも寄与します。ファン化には時間がかかることもありますが、質の高いコンテンツを重視することでリードを増やすことができます。

リターゲティング広告

リターゲティング広告は、自社Webサイトを訪れた、また、広告をクリックしたリードに対して、外部サイトに広告を表示する手法です。見込み客に再度広告を提示することで、自社や商品への興味を喚起し、記憶を呼び戻す効果があります。

この手法では、過去に訪れたユーザーが他のサイトを閲覧中に、自社の広告が表示される仕組みを活用します。これにより、見込み客が常に企業や商品を意識し続けることが可能です。

架電

架電とは、インサイドセールス担当が受注の確度が高まったリードに対して電話をかけ、直接アプローチする手法です。リードナーチャリングでは、メルマガの開封率が高い人やセミナーの参加者、問い合わせをした人などを対象にします。

従来のテレアポとは異なり、マーケティングの観点で関係性を構築していく点が特徴です。架電を通じて、リードが抱える課題解決に繋がるコンテンツの提供や、潜在的なニーズのヒアリングを行います。直接的な会話で信頼関係を築き、リードとの関係を強化し、購買に導くことが目的です。

リードナーチャリングの実施の流れ

イメージ画像 リードナーチャリングの実施の流れ

リードナーチャリングの実施の流れは、大きく分けて4段階あり、最終的には購買意欲が高まった段階でセールスへリードを引き継ぎ成約に繋げます。

1.顧客の情報を収集し集約する

リードや顧客の情報は名刺やメールアドレスなど、さまざまな形で散在しています。それらを一つにまとめることで、リードの基本情報だけでなく、獲得経路やサイト訪問回数、資料請求履歴などを把握できます

リード顧客には未成約の見込み客と既存顧客の2種類があり、特に未成約の見込み客の情報収集と集約が重要です。基本情報とともに、購入に至るまでの課題や関心事などの情報を収集し、部署間で共有できるよう一元化しましょう。

2.リードをセグメントする

リードを細分化し、属性や購買意欲に基づいてセグメント分けすることが必要です。リードのモチベーションやニーズは個々に異なります。例えば、オフラインのアプローチで獲得したリードでも、展示会で通りかかった人とセミナーに参加した人の期待度や行動は異なるためです。

リードのセグメント分けでは、過去のアクションを基にランク分けを行います。資料請求の有無やメルマガ登録などから成約への期待度別に分類します。

ただし、セグメントを細かく分けすぎないように注意しましょう。多数のセグメントごとに別の施策を実施することは工数がかかり過ぎるため、10種類程度に絞って管理するのが理想的です。

セグメント作成や管理では、MAツールの導入がおすすめです。MAツールによってリードの状況を一元管理でき、マーケティングと営業の連携をスムーズに行えます。

3.コンテンツを作成し配信する

リードナーチャリングでは、リードのカスタマージャーニーに合わせてコンテンツを作成し、配信します。特に「情報収集」と「比較検討」段階の見込み客に焦点を当てたコンテンツが重要です。

見込み度が低いリードには、他社の導入事例や問題提起するメールなどを通じてニーズ喚起を行うコンテンツが効果的です。一方、見込み度が高いリードには、期間限定のキャンペーンを通じて緊急性を強調することが有効です。

セグメントの特徴やニーズをよく理解し、購買意欲を促進するコンテンツを提供しましょう。

4.購買に近づいたら営業に情報を引き継ぐ

リードが購買に近づいたら、営業担当者にリードがどのような状態にあるのかを詳細に伝えます。リードのフェーズや温度感を伝え、スムーズな契約に導くために社内連携を強化しましょう。

また、カスタマージャーニーを共有し、リードが購買に近づいている段階での反応や興味関心について確認し合うことで、適切なアプローチを行えます。

成約に至った後も、リードナーチャリングの情報を活用し、顧客へのフォローアップを怠らないことが大切です。継続的な関係構築を行い、顧客に有益な情報を提供することで、長期的な顧客ロイヤルティを築けます。

リードナーチャリングに取り組む際のポイント

リードナーチャリングに取り組む際は、適切な目標設定と部署間の連携、コンテンツ制作の仕組み化が重要です。また、提供する情報の正確さなどに注意しましょう。

目的を明確にした上で適切なKGI・KPIを設定する

企業によって目標やニーズが異なるため、ナーチャリングの目的を具体的に設定する必要があります。目的に応じて選ぶべきアプローチ方法も異なるため、自社の市場環境やサービス特性も考慮しましょう。

成長中のベンチャー企業なら、新規商談獲得の最大化を目指すことが考えられますし、成熟した企業なら既存顧客へのアプローチを重視するかもしれません。

さらに、ナーチャリングの成果を評価するためには、適切なKGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)を設定することも重要です。KGIは最終目標、KPIはKGI達成のための中間指標です。

例えば、成長企業なら商談化率を上げるためにKPIとして商談数やリードからの反応率を設定することが考えられます。一方、既存顧客へのクロスセルを目指す場合は、新商品への興味関心を示す指標や購買履歴の更新率をKPIとして設定できるでしょう。

部署間の連携体制を整える

リードナーチャリングの最大限の成果を得るには、マーケティング部署と営業部署の間で密な連携体制を整えることが不可欠です。リードナーチャリングの段階でリードを育成し、購買意欲を高めるためには、その情報を営業部署と共有する必要があります。

リードが高い確度を持つ場合、早急に営業部署との商談に進展させなければなりません。しかし、社内の連携やコミュニケーションが十分でない場合、営業部署が的外れな提案を続けてしまうかもしれません。顧客の購買意欲が低下し、商談の機会を逃してしまう恐れがあります。

特にインサイドセールスチームは、非対面で営業活動を行い、リードをトスアップして営業につなげる重要な役割を担います。部署間で同じ目標を共有し、チームとして協力することで、リードナーチャリングの成功に繋げることができます。

コンテンツ制作を仕組み化する

リードナーチャリングを成功させるためには、コンテンツを計画的に作成し、一定のペースで安定的に提供する仕組みを整えましょう。無計画にコンテンツを作成すると、すぐに工数や予算の制約に直面する可能性があります。そのため、事前に顧客分析結果やペルソナ、カスタマージャーニーを基に必要なコンテンツを洗い出す計画を立てましょう。

また、部署間で横展開できるような仕組みにすることも重要です。例えば、カスタマーサクセスや営業が収集した活用事例を元に、記事制作やWebセミナーを開催するなど、コンテンツを効果的に流用して成果を最大化します。こうした仕組みを整えることで、少ない手間で多くの成果を得られます。

誤った情報や信頼性に欠ける情報を発信しない

コンテンツ制作で誤った情報や信頼性に欠ける情報を発信すると、むしろリードの信頼を失うことになり逆効果です。購買を促進したいからと言って誤った情報を発信するのではなく、リードとの信頼関係を構築するために信頼性の高い情報を提供しましょう。

信頼性の高い情報を提供するためには、その分野の専門家に監修を依頼することがポイントです。専門家の知見を借りることで、情報の正確性や信憑性を担保できます。リードに対して権威性を示すことで、情報に対する信頼度が高まり、長期的な関係を築く土台となります。

TETORIでリードナーチャリングを効率化

本記事では、リードナーチャリングの目的や位置づけ、実施するメリット、代表的な手法、そして成功に導くためのポイントを解説してきました。取り組むメンバーがリードナーチャリングについて正しく理解することは、成功への第一歩です。

また、実際にリードナーチャリングを推進する際は、専用ツールの利用をおすすめします。効率化はもちろん、豊富なサポート機能を活用することで、成果に繋がりやすくなります。

TETORIは、効率的なリードナーチャリングを実現するための頼りになるツールです。リードの状況に合わせて様々なシナリオを用意し、ポップアップを適切に出し分けます。そのため、リードの属性や行動履歴に基づいて、適切な情報やコンテンツを自動的に提示でき、個別のニーズに合わせたリード育成が可能となります。

また、オウンドメディアを活用したリードナーチャリングを効果的に行うことが可能です。オウンドメディア上で、興味を引く情報を提供し続けることで、リードの関心を高め、購買意欲を喚起します。

TETORIの活用により、企業は効率的でパーソナライズされたリードナーチャリングを実現し、リードとの良好な関係を築けます。成果を最大化するために、TETORIの導入を検討してみましょう。