TETORI導入事例
より人らしく「販促活動をする」チャットボットの使い方を模索。TETORIによる細やかなWeb接客が功を奏し、公式だけでなく、OTAの予約数も伸びています。
チャットボット
直帰率改善
ホームページ活用
※OTA(Online Travel Agent)とは、いわゆる宿泊予約サイト
宿泊施設は今やネット予約が当たり前の時代。一方、特に中小規模の宿泊施設ではスタッフのITリテラシーもまちまちで、Webマーケティングへの対応が立ち遅れがちでもあります。株式会社 宿屋をつなぐは、こうした宿泊施設のWebマーケティングを、TETORIを取り入れながらサポートしている企業。今回は、同社の代表取締役である末吉さんに、TETORIをどのようにご活用されているかお話を伺いました。
取材にご協力いただいた方
株式会社 宿屋をつなぐ
代表取締役
末吉 秀典さま
index
宿泊施設もOTAへの依存度が高まり、「公式ホームページをうまく活用できていない」という課題
「宿屋をつなぐ」はどういった会社なのですか?
さかのぼること17年ほど前、株式会社宿泊予約経営研究所という会社を設立しました。そこではいわゆる宿泊予約サイト(OTA)への登録や運営を代行していて、OTAの普及とともに順調に成長してきました。一方、ネットのマーケットが拡大していく中で、宿泊施設もOTAへの依存度が高まり、今度は「公式ホームページをうまく活用できていない」という課題が出てきました。OTAも重要だけれども、勝ち残っていくには自社のマーケットも疎かにはできません。そこで、宿泊施設に寄り添いながらお手伝いできる会社をと考えて「宿屋をつなぐ」を立ち上げました。事業内容としては、Webマーケティングの考え方に基づいて、MAツールなどのIT技術を活用しながら、宿泊施設の自社ホームページにおけるコンバージョン、つまり宿泊予約を増やしていく、といったことになりますね。
宿泊施設向けのシナリオテンプレートも用意されており、他にはないところで決め手になった
TETORIに注目したきっかけはどのようなことでしたか?
宿泊施設のホームページの利用客について、アクセス解析だけでも「何名来た」、「どこのページを見た」、「どこのページから離脱した」といった総量としての数字はつかめるものの、利用客お1人お1人の閲覧行動に合わせた対応はできないですよね。
そこで「宿泊施設側からホームページを通じてお1人お1人に寄り添えるようなおもてなしを実現したい」と考えて、MAツールを探し始めました。つまり、そもそもWeb接客が目的だったので、そこに強いTETORIを見つけたわけです。
TETORIはまずユーザーインターフェースが比較的わかりやすくできていて、直感的に操作の仕方が簡単そうだ、わかりやすそうだと感じられました。それに宿泊施設での採用実績もありましたし、宿泊施設向けのシナリオテンプレートも用意されているというのも他にはないところで、決め手になりましたね。テンプレートを開いて、例えばテキストを打ち替える、画像を入れ替えるといった形ですぐにポップアップ等を作ることができる。宿泊施設の場合は特に写真や動画などのビジュアルが重要ですし、キャンペーンやフェアの告知といったオンタイムな情報も多いですから、使いやすさはツール探しにおいても意識していました。
迷っている利用客にさりげなく声をかけ、より人らしく「販促活動をする」チャットボット活用を常に模索
TETORIは、具体的にはどのような形で活用されているのですか?
宿泊施設のホームページですと、施設や料理の写真、地図などが載っていて、宿泊プランを選んで予約できるといった内容はよくありますが、それっていわば無人店舗のようなものですよね。商品サンプルを並べておいて、利用客には「勝手に入って、見て、良かったら買ってください」という。
それでいいという利用客も当然いるけれども、迷っている時に店員にさりげなく声をかけてほしいし、話を聞いてくれたり、場合によっては別の提案をしてくれたりするやりとりを経て、安心して買うことができるという流れも当然あるわけです。そのためにTETORIのチャットボットを活用していますね。
また、ポップアップなどを使って、利用客が離脱しかけるタイミングでアクションを起こします。一般的にこちらで表示するのはクーポンとか期間限定の特典、フェアといった告知が比較的多いのですが……「利用客がなぜこのホームページに来ているのか」ということを考えると、必要とされているのは例えば「この日は客室が空いているのか」、「感染症対策としてどのようなことをしているのか」といった、生きた情報だったりするんですよね。そこで、まず利用客に安心感を持ってもらえるようにポップアップなどでそういう情報を周知します。そこから始めて、安心してゆっくりその宿泊施設の料理やお風呂、プランを見たりするうちに「ここがいいな」という気持ちが高まって、最終的にコンバージョンしてくれることが重要だと考えています。
利用客の欲しい情報を提供するという意味では、チャットボットなども重要なポイントになりそうですね。
そうですね。ただ、チャットボットはQ&A的な「利用客の疑問に応える」メニューが大多数ですよね。私はどちらかというと、より人らしく「販促活動をする」チャットボットとして、利用客と会話をしながら、あれこれ提案して、コンバージョンに結びつけていくような使い方を常に模索しています。
例えば、ホームページを開いていきなり「お困りのことはありませんか?」と出てくるのではなく、利用客がホームページの中をあちこち回遊していて、ちょっと迷っている様子がある……そんなタイミングでチャットボットが出てくる。いきなり用件に入るのではなく「あれこれ見ていただいてありがとうございます」、「いかがですか?」という挨拶から始めて、「よろしければお客様だけにお得なシークレットプランをご用意しています。ご覧になりませんか?」というように展開していくのです。
挨拶からとは!まさに店頭での接客が再現されているような流れですね。
そうですね。知りたいことを教えるだけのチャットボットと違って、宿泊施設にとっては直接収益につながるWeb接客を完成させられます。イベントシーズンであれば「〇月〇日にイベントがあります」、「このようなプログラムが行われます」、「その時期のおすすめ宿泊プランはこちらです」といった誘導などもできますね。
TETORI導入後、「直帰率」が大きく変わるので驚かれます。直帰率が下がると予約が増えることが実感でき、口コミが良くなっていく
TETORIを導入された宿泊施設の評判はいかがですか?
まずはトップページにアクセスしてそのまま離脱する、いわゆる「直帰率」が大きく変わるので驚かれますね。他の業界はわかりませんが、宿泊施設のホームページは一般的に直帰率が高いんですよ。宿泊施設としては「料理や部屋の写真、宿泊プランも見てくれているはず」と考えがちですが、実は100人来訪したら半数ほどが直帰してしまう。残った中でせいぜい2~3人がコンバージョンする、というものなんです。
そこにTETORIを入れることで、ポップアップでいろいろな情報が出てきたり、チャットボットで声かけをしてくれたり、宿泊施設のホームページとしてはまだまだ珍しい状況が起こるので、「これも見てみようか」と興味を持ってもらえる。直帰率が下がれば、当然個別のページへのアクセスも、滞在時間も延びてくる。そうするうちに予約が増えるのが実感できます。それも、自社ホームページからの予約だけでなくOTAの予約も増えて、口コミが良くなっていくんです。
一見関連がなさそうなOTAにも良い影響があるのですね!
そうなんです。OTAで予約する利用客も、たいてい一度は公式ホームページを見にいらっしゃいます。「直帰率が高い」というのは実はその影響もあって、トップページだけ確認して問題なければまたOTAへ戻って、そこで予約するんですね。ところが、Web接客のおかげでいろいろ見てその宿泊施設に詳しくなっていると、泊まりに来た際に「良さそうだと思ったけれど実際に良いな、良い選択をしたな」という納得感がある。それが、高評価かつ詳しい口コミにつながり、口コミが集客につながり……という良い循環が生まれるんです。
公式ホームページ予約と違って、OTAだとその宿泊施設はだいたい「いくつかある候補の1つ」に過ぎない。そこで公式ホームページに長く滞留していただく、そして「ここがより良さそう」と思ってもらうことは本当に大事なんですね。
TETORIの機能は、宿泊業界だけではなく中小企業特有のサービスを展開されている業態には特にマッチングする
今後TETORIに期待することや、やってみたいことなどはありますか?
TETORIのWeb接客でお1人お1人に寄り添うところまでは来ましたが、将来的にはそのお1人お1人を特定して、お名前で呼ぶような接客や、さらに質の高い情報提供ができるようにしたいですね。いわゆる「1on1マーケティング」として、そういったことを実現しているMAツールもありますが、私としてはWeb接客に長じているTETORIが、そのような領域もカバーするようになってほしいと期待しています。
TETORIの機能は宿泊業界だけではなく、中小企業特有のサービスを中心として展開されている業態には特にマッチングすると思っています。弊社も機会があれば異業種の企業をサポートして、そこに宿泊施設のWeb接客での経験・知見を提供できるとおもしろくなるのではないかと考えていますね。
株式会社 宿屋をつなぐ
魅力的な宿屋づくりのパートナーとして、MAツールを用いた宿泊施設のWebマーケティングをはじめ、改装・料理・アメニティ・サービスに関する企画提案、IT関連の運営サポートまで広く手掛けています。
導入を検討の方へ資料で詳しく説明しています。